FGノットの簡単な結び方

ラインとライン、釣り糸同士の結び方の種類は色々ありますが、ここではFGノットだけを分かりやすくまとめます。ネットで動画を探しても、結局どれが正しいのか分からないと思うんです。現に私がそうでした。
FGノットを初めて覚えるときはワケが分からなかった私ですが、その時の体験や不明だった点を思い出し、初心者にも分かりやすいようにこのページで詳しく解説できたらと思います。
ネット上にあるFGノットの動画を片っ端から見まくった私なりの現時点での結論です。
これさえ覚えたらPEでの釣りは全然怖くないですし、このページの内容がしっかり把握できれば大体のシーンはカバー出来ると思います。
目次
手順
ノットの手順は、リーダーの太さや硬さによって微妙に異なります。
ですが、いずれにしてもまずは大まかな流れを次の動画で把握して下さい。詳細は動画の下にあります。
太い・硬いリーダーを使用する場合
動画は、再生したまま放置すると自動的にリピート再生される設定です。
最強ノットマニュアル PEラインとリーダーの結び方 FGノット編-松岡豪之-(566)
内容は次のようになります。(私はこの方法ですっぽ抜けを起こしたことは一度もありません)
リーダーの硬さによって微妙に異なるのは手順1の編み込み方法だけで、その他は全て共通で使えます。
- リーダーをPEで10~20回ほど編みこむ(「※編込1」とする)
- PEの支線(端糸)でハーフヒッチ1回の仮止めをする
- 摩擦熱を低減するために編み込み部分を湿らす
- PE本線と支線、リーダー本線を3方向に引っ張ってPEの色が濃く変わるまで締め込む。個人的には、締め込みはT字の3方向ではなく、Y字の3方向がオススメ(PEの本線と支線が少し鋭角になるようにした方が編み込み部分がズレにくい)
- とにかくここでしっかり締め込む(ここで全てが決まる。引っ張るだけズルズルと滑るようなら最初からやり直した方が無難)
- ハーフヒッチを2回追加する
- リーダーの端を少し残してカットする(糸の太さにもよるが最低でも8 mmくらい)
- カットしたリーダーの端をライターで炙り、コブを作る(端は5 mmくらいに縮む)
- この時、残す糸は指や爪の間に挟むことで炎の熱からラインを守る
- 「※編込1」とコブまでの間の5 mmは、リーダーの支線とPE本線の2本をまとめて、PEの支線でハーフヒッチを6回~10回繰り返して埋めていく(「※編込2」とする)
- コブまで到達したら、コブの先にあるPE本線のみに5~7回ほどハーフヒッチする(「※編込3」とする)
- 「※編込3」のハーフヒッチの目的は、コブのエッジがPE本線を傷付けないように保護するため
- エンドノットを施す
- PEの支線をカット
- PEの支線先端をそのままにするか、炙ってコブを作るかはお好みで(完成)
オススメしない方法
上記の手順7、手順8について掘り下げておきます。
- 手順7:リーダーの端を少し残してカットする(糸の太さにもよるが最低でも8 mmくらい)
-
手順7の段階でリーダーをカットしてしまうこの方法は上の動画の方法であり、私が現在採用している方法です。
下の動画のように「※編込1」と「※編込2」が同じ長さとなるように推奨する人もいますが、「※編込1」で摩擦応力を受け持たせていることを考えれば「※編込2」を長くするくらいなら「※編込1」を長くするべきです。
「※編込2」に「※編込1」と同等かそれ以上の摩擦力があるのならば、最初から最後まで「※編込2」にしたらもっと強いにノットになるはずです。でもそうはなりません。
あくまでも「※編込2」は「※編込1」のほどけ防止くらいに考えて、「※編込2」が無駄に長くなることは避けた方がいいと思います。
「※編込2」が長くなればハーフヒッチの回数と手間が増える上に、ガイド抜けが悪くなるだけです。 - 手順8:カットしたリーダーの端をライターで炙り、コブを作る(端は5 mmくらいに縮む)
-
こちらも上の動画の方法で、私が採用しているもの。先にコブを作ってから、それを「※編込2」で埋めるスタイルです。
下の動画のように、リーダーの支線を一番最後に切ってコブを作る方法もありますが、次の理由からオススメしません。
- 最後の最後に大事な糸を誤って焼く恐れがある
- 長さの調節が難しい
- コブと編み込みの間に隙間があると、ガイドの抵抗が大きくなったり糸絡みしたり、ライントラブルの原因になる
詰まるところ、下の動画は参考にしない方がいいと思ってます。
FGノットの結び方
細い・柔らかいリーダーを使用する場合
最初の動画では物凄く太い(硬い)リーダーを使っているので編み込みが楽なんですが、細くて柔らかいリーダーだと最初の動画のように上手に編みこむことが出来ません。そういう場合には下の動画のような編み方がオススメです。私はリーダーの太さに関わらずこの編み方をしています。
「※編込1」以降は最初に説明した通りです。
- 覚えてしまえば強風や暗闇の中でも結べる
- 柔らかい糸でも結びやすい
動画は、再生したまま放置すると自動的にリピート再生される設定です。
PEとリーダーの結束②
場面や状況に応じて編み込み方を変えることが大事です。
初心者向けの一番簡単な方法(ベテランでも有効)
ここまで見ても「えっと・・・まず編み込みのやり方がよく分からない・・・」という人は下の方法を試してみて下さい。デュオ プロスタッフのホッティーこと堀田光哉さんのやり方です。
こちらも、「※編込1」以降は最初のやり方がオススメです。
- とにかく単純で分かりやすい、覚えやすい
- 最初から最後までしっかり硬く編みこめるので失敗が少なく安定感がある
動画は、再生したまま放置すると自動的にリピート再生される設定です。
簡単FGノット(PEラインとリーダーの結束)
一般的な編み方だと、締め込んだ際に編み込みの最初の方がゆるいままだったりすることがあるのですが、この方法だと最初から最後まで硬く編みこむ事が容易く、安定感があります。初心者のみならず、かなりオススメです。強いて欠点を言うと・・・
- PEに絶えずテンションを掛ける必要があるので場所や状況を選ぶ
- ずっと糸を咥えているので口が疲れる
FGノットの用途と特徴
FGノットはPEとリーダーの結束方法
そもそもFGノットって何?どんな釣りに使うの?その特徴は?という話をします。
FGノットとは、釣り糸同士の結束方法。
主にPEのメインラインとナイロンやフロロなどモノフィラメントラインのリーダーとを結ぶノットの方法で、リーダー側の端を一切折り曲げたり結んだりしない完全摩擦系ノットのこと。
普段ナイロン或いはフロロばかりでPEを使わない人にとっては「リーダーが真っ直ぐなままだと引っ張ったらすぐに抜けるんじゃないの?」と不思議に思う点だと思いますが、摩擦系ノットというだけあって本当に摩擦だけで糸同士を繋げています。(まぁ、厳密に言えばあらゆるノットが摩擦で留まってるんですけどね・・・)
校庭にある「登り棒」ってただの真っ直ぐな鉄の棒ですけど、しっかり掴まったら手の平の摩擦で落ちませんよね?ああいう感じです。(登り棒=リーダー、手の平=PE)
ある程度太さのあるリーダーとPEを結束するためにFGノットを使っている人はかなり多いと思います。それは次の理由からではないでしょうか。
- 結束強度が約80%~90%と非常に高い(他の結び方より比較的高い)
- 結び目が小さいのでガイド抜けがいい&ガイドでのトラブルが少ない
- ノッターなどの特別な道具が要らない
極細のリーダーには不向き(スッポ抜ける)
私はジギングやエギングではこのFGノットを使用しています。勿論シーバスでも使えます。
個人的な感覚ではありますが、2号(8 lbs.)以下の細いリーダーだと滑りやすい(すっぽ抜けしやすい)ので不向きです。大きな理由としては、次の点が考えられます。
- ラインの直径が細くなるほど円周が正比例で小さくなり、ひいては摩擦力が得られる表面積も正比例で小さくなるため
- でも糸の単位断面積強度は上がるので、より多くの編み込みが必要になる
- 締め込んだ際に食い込む肉厚がないため
- リーダーが細いとしなるので編みこみが難しくなり失敗しやすいため
- 糸の円周の公式
-
L=2*π*r (円周=2×円周率×半径)
- 糸の側面積の公式
-
S=2*π*r*H (側面積=2×円周率×半径×高さ)(高さ=PEが巻き付いているリーダーの長さ)
PEが太くリーダーが細いほどすっぽ抜けやすいので、極細のリーダーの結束にはノーネームノットなどの違うノットがオススメです。
要するに、登り棒には登れても、針金では登れないのと同じです。詳しくは下記リンクを見て貰えればわかりやすいかと思います。
https://angler.prummy.com/2014/12/493/ https://angler.prummy.com/2017/07/4364/
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