キス(魚)の生態、簡単な釣り方!

2018/06/18

どうも、ロクマルです。6月、梅雨と初夏ですね。
初夏から手軽に釣れる魚といえば、青物、鱚(シロギス)、タコです。私も普段、これらを楽しんでいます。

このページではキス釣りに話を絞って、キスの簡単な釣り方、大きなキスの釣り方、調理法などを紹介します。

キスの生態、生活環

どんな魚でも言えることですが、釣りたい魚がいたら、その魚の一生について知ることが大事です。

繁殖

産卵期

日本に於けるキスの産卵期は梅雨~晩夏・秋で、6月~10月頃です。特に7月~8月は産卵のピークを迎えます。

産卵場所

キスの生息水深は0~30 mですが、産卵期に入ると浅場に移動して水深1~15 m程度の浅い砂地の藻場などで産卵します。

産卵回数

びっくりなことに、キスは産卵期に入ると、ニワトリのように毎日産卵します。それも山盛り産みます。

7月下旬

1匹あたり1日で100個

8月上旬

1匹あたり1日5000個

8月下旬

1匹あたり1日10000個

毎日徐々に卵の数を増やしていき、8月中旬には1日に平均で1万個も産みます。(やばい)

産卵方法

産卵の開始時間は夕方から夜、17時から20時前後にかけておこなわれます。

メスが産卵しようとするとオスが察知して、雌を追跡しはじめます。
メスが海底よりも少し高い場所で水中に無色透明の卵を放出すると、オスもすぐに精子を放出し、卵は水中で受精します。
周囲に複数のオスがいる場合、1匹のメスの産卵に対して複数のオスが精子を放出します。1

孵化

完熟卵は直径0.64 mm(0.61~0.71 mm程度)の極小の球形をしています。

1つ1つがバラバラで、海水よりも少し軽い浮性卵です。孵化するまで海水中を漂います。もし水槽のような海水の動きがない場所なら、浮かんだ卵が水面を覆い尽くすことになります。2

海水温が25℃前後(20℃~27℃)の場合、産卵から20時間後に孵化します。(早い)

幼魚は体長1.3~2 mm程度。孵化直後は口が開かず、身体に付いている臍嚢から栄養を摂取します。

臍嚢

さいのう。稚魚の腹についている袋。中には卵黄が入っている。口が開き、自分でエサが捕食できるようになるまでこれを吸収して成長する。

孵化3日後の体長は1.5~2.6 mmほどになり、動物プランクトンを食べ始めます。26

孵化直後は胸鰭等もなく、親と同じ形になるまで20日程度かかります。

食性

幼魚・稚魚はケンミジンコなどの動物プランクトンを食べ、大きくなるとイシゴカイやアオイソメのような多毛類や、エビなどの甲殻類を食べます。

形態

シロギスの場合、水深0~30 m程度の場所で生活し、幼魚はアマモなどの海藻類の茂みで身をひそめて成長し、成魚になると砂地の開放的な場所でも活動するようになります。

7色とか8色って何?キス釣り独特の単位

これはちょい投げとは少し縁のない話です。
本格的なキス釣りの竿や道具で釣る人たちは、3色とか5色とかという謎の言葉を使います。

キャストした飛距離を表す単位。等間隔に色分けされた釣り糸の色のこと。通常は1色で25 mごとに色分けされていて、4色なら100 m。8色なら200 mとなる。
これに先端に力糸が15 mほど付くので、4色なら115 m程度になる。

力糸

ちからいと。大遠投する時にPEが切れないようするための太いPEナイロンによるショックリーダーのこと。先端にいくにしたがってテーパーがかかって太くなっている力糸が多い。(根元が1号で、先端が7号など)

ジギングなどのPEを使う釣りでも「4色出たから100 mだね」という話はします。
でも普通、「4色飛ばしてから沈めて~」というような話し方はしないので、大遠投する釣りならではの単位と言えますね。

釣れる時期

最盛期は4月~10月

5月~6月

ヒネギスが釣れやすい。しかも産卵期のピークではないため、身に脂が乗っている。前年に生まれたピンギスも小さいものが多いので、ピンギスが釣れにくく、大きいキスが釣れやすい。浅い場所にいるため、砂浜からでも釣れやすい。

鱚釣りは八十八夜から

鱚が釣れる時期を言い表したことわざ。3

八十八夜

立春を一日目と起算して、立春から87日目の夜のこと。現在の暦で5月2日頃

7月~8月

前年に生まれたキスが釣れるくらい大きくなる時期で、サイズは出ないが数釣りが楽しめる季節。

9月~10月

産卵を終える、越冬に備えるなどの理由で深場に移動するため、岸から狙えるような浅瀬では釣れにくくなる。

冬のキス釣り

12月、1月、2月の真冬でも岸からキスは釣れます。越冬ギスです。

  • 水温が安定している深場(水深5 m以上)の砂地、ゴロタ周り

  • 釣れるタイミングは上げ潮の方がいいらしい

  • 冬場は動きが遅いのでストップ&ゴーでゆっくり目に誘う

キスの種類

キスは5属33種いるとされていますが、日本で釣れるキスは主に次の4種類です。なかでもほとんどがシロギスです。

シロギス

もっともよく釣れるキス。99%以上、日本で釣れたらまずシロギスだと思っていい。シーバスのように銀色ベースのモトギスとは違い、体色は黄色み掛かった白色。

モトギス

インド太平洋を中心に分布する。キスの中ではもっとも広範囲に分布する。シロギスと混同しやすい。他のキスとは違い、沖には出ない。

ホシギス

奄美大島以南に生息するキス。死ぬ体側に星のように斑点が浮かぶ。本州ではまず釣れない。

アオギス

元は東京湾に多く生息したが、現在では公害などで数を減らし、東京湾内では絶滅したとされている。ただし韓国、九州、台湾などでは生存が確認されている。

大きさによる名前の違い

尺ギス

1尺(約30.3 cm)を超える大きなキスのこと。

大ギス

漠然と大きなキスを指す場合もあれば、28 cmを超えるキスだと定義する人もいる。

尺ギスと同義だとする人もいる。

テッポウギス

25 cm以上のキス。市場価値が高くなるサイズ。4

ヒネギス

2歳以上、18 cm 以上のキス。ヒネたキスのこと。「陳ねる(ひねる)」とは関西弁で「年を取る」「古くなる」「(子供が)大人びている」を意味する。

ピンギス

主に10~15 cm程度の、ヒネギス未満の小さいキスのこと。
「ピンからキリまで」の「ピン」で、最小、最低、最下位を表す。ピンが上でキリが下だという主張は後から誤って広まったとか諸説あるが、少なくとも魚のキスにおいてはピンギスは小さいキスを意味する。

ピンギスは何歳なのか

ピンギスは1歳で、前年に生まれたキスです。1年掛けて12 cm前後まで成長しています。

7~8月頃に大量に釣れるピンギスが、その年に早く生まれて2~3ヶ月で急速に成長したキスだと思っている人がいますが誤りです。2ヶ月で10 cm程度まで成長することは到底不可能です。
モトギスを例にとると、こうなります。

  • 12ヶ月で13-14 cm

  • 24ヶ月で16-20 cm

  • 36ヶ月で20-24 cm

  • 48ヶ月で24-28 cm

モトギスは年中産卵していて、産卵ピークは11月~3月で真冬です。これは、モトギスが主に南洋に生息していて、南洋の夏が暑すぎるからかもしれません。(キスの卵は水温28℃以上だと死滅しやすいから)

シロギスでもそういう個体がいてもおかしくないのかもしれませんが、日本での繁殖最盛期は7月~8月です。もしピンギスがその年に生まれたキスで3ヶ月で10 cm以上まで急成長できるのなら、爆発的に増える時期は11月頃になるはずです。でも実際には7月頃から急増します。

そもそも4月でも5月でもピンギスは釣れます。これだと1月から2月に孵化したことになります。

そして小さいながら、幼生が親と同じような魚の形になるだけでも20日も必要なのです。
孵化する時期にもよりますが、成長速度から言って、その年に生まれたキスは11月でもせいぜい1~5 cm程度だと考えられます。

ピンギスがその年に生まれたキスだという説は何ひとつ辻褄が合わないのです。

季節による名前の違い

越冬ギス

越冬したキス。

早場ギス

春先に釣れるキス。

秋ギス

秋口から、浅場で荒食いするキス。

落ちギス

越冬前に深みに溜まったキス。

キス釣りの仕掛け

キス釣りはとても簡単で、初心者、子供連れの家族でも狙えるターゲットです。

ちょい投げ

ちょい投げとは、「ちょいと投げる釣り方」です。初心者など、手軽に釣りたい人に適した釣り方です。ここでは少し初心者向けに話します。

ちょい投げのキス釣りの仕掛け
項目 詳細
竿 2~3 m
リール シマノ製で2500番~4000番
ダイワ製品で1500番~3000番
道糸 PE0.8~1.2号
リーダー フロロ2~3号を1 m
ジェット天秤 5号~10号(約20 g~40 gPE直結
キス針4~7号
差しエサ 石ゴカイ、アオイソメなどの多毛類 or ワーム

ちょい投げなので、リーダーは無くてもいいです。特に初心者だと投げるときにリーダーの結束部分が引っかかったりするので、無い方が釣りやすいと思います。

リールの大きさを番手で表示していますが、糸が巻けたら何でも良いです。あまり大きいと投げるのに疲れる、小さすぎるのも巻くのが疲れるというだけの話です。リールの重さで言うと、200~250 gが楽かと思います。

竿

竿は2,3 mあって、それなりに硬さがあれば何でもいいです。エギングロッド~シーバスロッドの硬さがあれば十分です。

リール

シマノ製品だと2000番~3000番(大きくても4000番まで)、ダイワ製品だと2000番前後が一番使いやすいです。

道糸

道糸(リールに巻く糸)はPEで1号前後、ナイロンフロロなら3号くらいがオススメです。

糸の長さは100 mあればOKです。下に紹介しているリールは大きさ、巻いてある糸の太さ、長さ、価格も丁度で入門用におすすめです。

ジェット天秤

重さは5号~10号(20~40 g)がおすすめです。風が強いなら10号、子供が使うなら5号以下、状況に合わせて使い分けるといいでしょう。重くしてもあまり飛距離は変りません

重いものを投げるのに慣れていない初心者なら、5号のほうが軽量で安全です。

小さいキスも狙うなら5号、大きいキスを狙うなら8号以上です。(サイズに関する議論については競技用の針の項目を参照して下さい

針は2連か3連くらいのほうが仕掛けが短くて絡まりにくく、初心者には扱いやすいです。また、エサを付ける手間も少なくて済みます。

小さい針を使うと、小さいキスも大きいキスも釣れますが、針を飲み込まれやすいです。
逆に大きい針を使えば、小さい魚を弾いて大きい魚だけを釣ることができて、飲み込まれにくくなります。ちなみに下に紹介している7号針で10 cmくらいの小さめのキスを釣ったことがあります。

エサ

基本的には石ゴカイやアオイソメなど、活餌を使う方が釣果がいいです。ただ、知り合いにはワームで尺ギスを釣った人もいます。複数の針のうち、一番下の針だけワームにしたり、組み合わせるのもアリです。

動かし方

仕掛けを投げて、テンションフォールで着底させます。フリフォールで真下に落とすと、仕掛けが絡まりやすいからです。

浅瀬の場合、着水から1~3秒もあれば着底するので、あとはズルズルと底を引いてくるだけです。

リールを巻く早さは1秒間に0.5回転くらいのゆっくりとした速度で巻き続けてください。キスの料理は味も上品ですが、アタリ方も上品です。トゥクトゥクトゥク、という感じで当たって向こう合わせになります。1匹釣れたあとも、回収するまでに複数匹釣れるように最後まで同じテンポで巻き続けることが大事です。

仕掛けの投げ方

仕掛けの投げ方については、以前軽いルアーも重いルアーも大遠投できる投げ方を紹介したので、下記リンクで参照してください。
ペンデュラムキャストが基本になります。

遠投仕掛け、競技用仕掛け

これは本格的なキス釣りの仕掛けです。ここから先は釣りの知識がそれなりにあることを前提にして解説します。

遠投、競技用のキス釣りの仕掛け
項目 詳細
竿 専用竿20~30号
リール 投げ釣り専用
道糸 PE0.3~1.0号 200 m以上
チカラ糸 細い側でPE2~6号 12~15 m
天秤 20~30号
ハリス ナイロン2号
キス針4~7号
差しエサ 石ゴカイ、アオイソメなどの多毛類

遠投竿

浜から投げる大遠投専用の竿は長さが3本継ぎで4 mほどあります。重さは300 g~450 g
仕舞寸法が1.5 mほどになります。

遠投用リール

キス釣り用のリールにはサイズごとに30とか35という数字が付いています。この数字はスプールの寸法です。直径62~74 mmスプールの長さ:ストロークが30~35 mm

シリーズごとに1~2種類しかないことがほとんどです。
シマノ製品だと30か35、ダイワ製品だと35に加えて45 mmと、ロングストロークのリールがあります。

ラインローラーがゆっくり上下することでラインを密巻きにするスーパースローオシュレーションを搭載したリールもあります。この機構を採用したリールは、トラブルが発生リスクが高くなるのと引き換えに遠投性能に長けています。クロスラップによるライン抵抗が少ないためです。

昔(西暦2000年)、バスリールでは00ステラ(ミレニアムステラ)がこの機構を採用してライントラブルが多発するという大失敗をしました。理由は、クロスラップをしないことによって下に巻いたラインがスプールから飛び出しやすかったからです。

バスリールの場合はメインラインが張りのあるナイロンフロロなので特にトラブルになりやすかったのです。

ステラではスーパースローオシュレート機構は封印されました。しかし遠投リールでは今なお採用されているところを見ると、少なくとも糸に張りの無いPEの場合、モノフィラメントラインよりはトラブルが少なそうですね。

遠投用リールの重さ

安価な製品だと600 gもあります。かなり重たいです。

高級モデルだと、例えば最高級モデルでシマノ リール 16 スーパ-エアロキススペシャル コンペエディションなら360 gです。

で、軽さと安さを両立した丁度いいリールっていうと、思い当たるのはスーパーエアロ スピンジョイです。
ストロークが30 mmの場合、2014年のモデルは重量が445 g。安価なモデルよりも150 gも軽いです。150 gっていうと小型リール1個分くらいの重さなので、この差は大きいです。

2015年のモデルもありますが、510 gあります。軽さを取るか、最新テクノロジーを取るかで悩むところですが、[1年最新]と[65 g軽量]なら、私は軽量を選びます。

道糸

道糸はPEで0.6号前後です。「重い仕掛けを大遠投するのにそんなに細くて大丈夫か?」という不安もありますが、力糸があるので高切れを防ぐことが可能です。

また、糸が細いほど遠投に有利です。

もちろん切れないように上手に投げるには練習が必要です。最初は1号くらいのほうが安心、安全です。

  • 6色(150 m以上の遠投)ならPE0.8号

  • 8色(200 m以上の遠投)ならPE0.3号

釣り糸に関するマニアックな知識については以前書いた記事を参照してください。

力糸

専用竿で大遠投する場合、必ず力糸が必要です。PE0.8号→5号や、PE1号→6号のように先端にいくに従って太くなる「テーパー力糸」を使うのが一般的です。モノフィラメントラインの力糸もあります。

天秤

タングステン製を使う人もいます。タングステンは比重が大きいので遠投性能が高くなるうえ、硬いので感度が良くなります。(ただし価格も高い)
主に20号~33号(75 g~124 g)を使いますが、遠投性能の向上と疲労低減の両立を考えると27号~30号(101 g~113 g)までが良いですね。

ハリス、モトス

モトスはナイロンフロロで1.5号~2.0号。ハリスより先端には遠投の負荷はエサの重さしか掛からないので、キスが掛かっても切れない強度があれば十分です。

天秤から仕掛けの最先端までは1.5 m~2.0 m。天秤から元鈎(一番上の針)は1 mほど開けます。5

元鈎

もとばり。一番手元(リール側)にある釣り針。

先鈎

さきばり。仕掛けの先端側にある釣り針。

「どんな大きさのキスを狙うのでも4~6号で十分だ」という人もいれば、私のように「小さいキスで4~5号、大きいキスで7号以上」という人もいます。どっちが正しいとも言えません。なぜなら、両者ではエサの動かし方、リールの巻き方が違うからです。

ちょい投げなら2連から3連くらいが気楽でいいですが、遠投するなら5連~10連です。ハリスがフロロで2号の場合、エダスは1.5~1.7号程度になります。
遠投を重視するなら天秤との間にスナップやサルカンを使わずに直結します。

「どんな大きさのキスを狙うのでも4~6号で十分だ派」の主張

常にリールを巻いてサビいている。合わせは向こう合わせで飲み込まれることはない。
常にエサを動かすことが前提となる。常に動かすことで、キスのヒット率を下げることなくエサ取りの被害が減らせる

「キスのサイズで針サイズも使い分ける派」の主張

リールを止めることもあるので飲み込まれる可能性が高いし、それを考えると針の大きさは変えるべき。針が大きい方がエサのホールド感が高まる。小さいキスを弾くことができる。なるべく大きい針の方が針掛かりが良くて、バレにくい。
途中で止める、あるいは放置することもある釣り方が前提ただし、フグなどのエサ取りに取られやすい

競技者やガチ勢は常にリールを巻く人が多いです。確かにそのほうが釣果は伸びるでしょうね。

でも、ちょい投げで遊ぶ人は放置するとかザラにあるんですよ。それこそ、投げて放置してBBQしたり休憩するんです。子供なら尚更です。

そういう釣り方をした場合、小さい針を使うと飲み込まれる確率は確実にあがるので、針を大きくするのは理にかなっています。なので、どっちが絶対的に正しいという話ではないと思うんですよね。

エサ

上記のチョイ投げ編ではワームとの併用を提案しましたが、競技用となると全部エサでやるのがいいと思います。
特に、上の針にはニオイが強いアオイソメなどを付けて、下のほうには動きがいい石ゴカイ(ジャリメ)を使うなどする人もいます。