パロマーとノーネーム、初心者も中級者も絶対に覚えておくべき2つのノット

2014/11/06How toPE,ナイロン,ノット,フロロカーボン,ライン

初心者は言わずもがな、中級者の人でもノットについて思い悩む人は多いのではないでしょうか。

クリンチノット、ダブルクリンチノット、ユニノット・・・色々試すものの、結節のすぐ上の部分がどうしても縮れてしまう難点に頭を悩ませる人も多いと思います。ご多分に漏れず、私もその1人です。

で、バスプロの田辺哲男さんが「これさえ覚えておけば大体イケる」という感じで2つのノットをレクチャーしていて、このノットを使えば色々と捗りそうだなーと思ったのでご紹介。ちなみに私はショアジギングやエギングでもこのノットを使っています。

ラインとアイを結ぶパロマーノット

  • 何にでも使える
  • 素材も問わない
  • 絶対にすっぽ抜けない
  • 縮れない
  • 短時間で簡単に結べる

もうこの特徴を見ただけでも最高じゃないですか?

田辺哲男さんはアメリカのツアーに出るようになってから周囲のバスプロたちが使っているノットが「パロマーノット(Palomar Knot)」であることに気付き、「あ、なんだパロマーでいいのね」というところに行き着いたのだとか。

シーガーノット動画(田辺 哲男)

汎用性が高い

ルアー、スナップ、ラインアイ、スピナーベイト、フロッグetc…対象が何であれ、そしてナイロンフロロPE、ラインの素材が何であっても有効です。

これで本当に大丈夫!?と心配になるくらいノットが小さいですけど、気になる人は気休めにでもハーフヒッチやエンドノットを追加してみてはどうでしょうか。
ただしエンドノットを行ったとしても直接的に結束部分には影響しておらず、すっぽ抜けを防止するだけで、結束強度を高める効果は一切無いと考えるのが妥当です。

結束強度が弱い

デメリットを挙げるとすれば、やはり結束強度が弱いところ。
実際に使用してみると、バイアス(ひいき目)が掛かっているのかもしれませんが普段使っているダブルクリンチノットに比べてほんの少し結束部分でラインブレイクしやすい印象を受けます。

簡単に高速で結束できることの引き換えと割り切り、少し太いラインを使うのが賢明かもしれません。逆に、飛距離を重要視するのであれば細いラインでしっかりとしたノットにするべきだと思います。

強度が高まる結び方、低下する結び方

この動画では両方の結び方が紹介されていて、ちゃんと結べば100%の強度が出ています。ポイントはアイに掛かっているラインが重ならないように綺麗に並列させることです。

ただ個人的な見解としては、そもそもクラスラインで100%は普通は出ないっていうことと、再現性(安定して結べるかどうか)についても疑問が残っているので、強度はある程度は落ちる前提で使用しています。強度設計では常に安全側で見るのが常識なので。

ちなみに、この検証動画で使われているリーダーはこちら。

このラインは一般的なクラスラインと同じ太さと表示強度です。動画の主さんの話しぶりではクラスラインだと捉えるべきですが、このラインがクラス表示なのかテスト表示なのかは公式ページを見ても不明でした。

「待って、ポンドクラスライン?ポンドテストライン?何それ!?」って人は下記リンクも参照してみてください。

ノットは強ければ良いってもんじゃない

結束強度の弱さは必ずしもデメリットとは言えません。考えようによってはメリットになることもあるんです。どういうことかというと。

もしリーダーとメインラインのPEの強度が同等か近い場合に、ルアーの結束部分の強度が100%だと、根掛かりしたらPEの結束部分でブレイクしやすくなります。なぜならPEは結束すると強度が大きく落ちるからです。下手をすると、もっと手前のPEの傷でブレイクする可能性も高くなります。これを高切れといいます。

強度の弱さ=高切れを防げるメリットになりうるということです。

高切れ

キャストや根掛かりをした時、エダスやモトスなどのハリスではなく道糸(メインライン)が切れること。

でもパロマーの結束強度が弱かったら、仕掛けの一番先端で切れてくれる可能性が高くなるんですよね。「じゃあ細いリーダーを使って強いノットを使った方がいいんじゃないか?」とも考えられますが、必ずしもそうではありません。

例えば、サワラやタチウオのような歯の鋭い魚を釣る時にPEリーダーを使用している場合です。こういう時はリーダーをできるだけ太くしたいんですよね。要するに、引張強度はそんなに要らないけど、歯でラインを切られたくない時です。

極端な場合はメインラインより強度の高いリーダーを使うこともあります。先端の30 cm程度だけ極太のファイティングリーダーを使う方法もありますが、この結び目(リーダーとファイティングリーダーの結束部分)やそれより手元のリーダーにバイトすることもあるので私はファイティングリーダーを使用していません。

なんでもかんでも強くすれば良いってもんじゃないと思うんです。そういう意味で、パロマーは使い勝手がいいです。

すっぽ抜けしたことがない

私はショアジギングでソリッドリングとリーダーを結束するのにパロマーを実際に使っています。

経験したラインの太さはエギングからサワラやブリを釣るジギングまで、ナイロンフロロ6 lb~70 lbまで使ったことがありますが、どの太さでもすっぽ抜けたことは一度もありません。

ライン同士を結ぶノーネームノット

田辺さんはラインの太さが0.4号、0.6号、0.8号、1号だろうが、ノットのコブがロッドのガイドリングを通ることが出来るのであればノーネームノットを使っているんだとか。リーダーに結び目の無いMIDノットやFGノットよりも結束強度や直線比は劣るものの、所要時間や安定性を加味すればノーネームノットあたりに落ち着くのかもしれません。

ノットの各強度についてはファジーさんが紹介しています。

PEライン用ノットの強度比較

http://www.e-fuzzy.jp/knowledge/strength_comparison/

シーガーノット動画(田辺 哲男)