タチウオ料理とレシピ
このページでは、タチウオの料理と調理方法、レシピを紹介していきます。
釣ったタチウオの持ち帰り方
- フックを外す
タチウオを釣ったら、まずワニグリップなどで頭か胴体を掴み、フックを外す。心臓のポンプのチカラで血抜きをするので、胸鰭の付近にある心臓を挟まないように注意する。
- 血抜きする
背ビレから背骨の下側まで切断し、水くみバケツの中で血抜きをする。背骨直下にある一番太い血管(静脈洞)より下を切ると内蔵が傷付くので避ける。
- 保冷する
5分か10分ほど血抜きをしたらバケツから取り出し、袋に入れてクーラーボックスで保冷する。
タチウオは腐敗の進行がとても早いので、保冷せずにあまり長い時間バケツに放置すると帰宅後の劣化が早くなるので、温度管理に注意。時間に余裕があるなら、帰り際に釣り場で頭と内臓を除去した方が帰宅後の生ゴミが減って良い。ただし、タチウオの卵巣を料理したい場合は捌かずに持ち帰る(頭だけ捨ててもいいけど)。
下準備
- 洗浄と保管方法
タチウオの腹を開くと恐ろしく臭くて、新鮮なタチウオでもまるでドブ川のような匂いがする事がある。でも不安になる必要はない。
- 頭と内臓の取り方の参考動画
次々と太刀魚をさばいていく漁師の奥さん
- 帰宅後、すぐに頭と内蔵を除去する。肋骨周辺の黒い膜と血合いを洗い流し、水分を拭き取る。
- タチウオの卵料理を作るために卵巣を取り出す場合は、包丁を肛門から入れる時に、穴から少しずらして刃を入れた方が卵巣の膜が破れにくい。
- 2~4等分の適度な長さに切り、クッキングペーパーを敷いたバットに並べてラップフィルムを被せて保管する。この状態で1週間くらいなら保つ。(それ以上は試したことが無いので未知数)
- タチウオの背びれの正しい取り方
タチウオの縁側にある小さな骨を残さずに除去する捌き方を解説したページ。
この工程は料理の直前におこなう方がいい。三枚に卸す場合、この工程は無くても良い- 三枚に卸す
沢山釣れた時は大名卸しでもいい。釣果が少なければ、身が残らないように頑張って中骨を攻める!
- 肋骨はすき取るか、炙ることで骨を柔らかくする
小さなタチウオは肋骨をすき取るのが困難だし食べても支障がないので、我が家ではそのまま食す。(捌くタチウオが多い時は手間も尋常じゃないので)
タチウオのサイズが指4.5本サイズを超えて、骨が歯に障ると感じる場合には、内側から肋骨部分だけガスバーナーで炙ると多少は食べやすくなるし、脂もいい感じに炙られるのでこれはこれで乙。当然、料理の直前に炙る。
炙りと氷水について
- タチウオの皮目を炙る目的
- 火を通して皮を柔らかくし、食べやすくする
- 香ばしくする
- 皮の生臭みを取る
- 炙った柵やネタは氷水に浸けて〆るイメージがあるが、私は氷水を使わない。理由は次の通り。
- 身や脂が冷えてしまい、香りが立たなくなる
- 水に浸けると味が落ちてしまう感じがある
炙りの握り寿司
(ちょっとシャリが大きすぎた。)
- 酢飯を作る
シャリの大きさにもよるが、酢飯が1合あれば20貫(20個)の握り寿司を作ることができる。
2合分(40貫分)の酢飯の材料と分量 材料 分量 やや水分を少なめに炊いた白米 2合 米酢 80 ml 砂糖 20 g(大さじ2杯) 塩 2~2.5 g(小さじ0.5) 乾燥昆布 1枚(5 cm✕10 cm) - 炊飯器に米と昆布を入れて固めに炊く(昆布の緑色が米に移るけど気にしない)
- 昆布を取り出す(そのまま食べてもいいし、違う料理にも使える)
- 事前に米酢、砂糖、塩を混ぜたものを炊き上がった熱いご飯に回しかける
- 切るようにして米と酢を混ぜる
- 混ぜきったら、扇風機やうちわで風を送って冷やす(混ぜながら冷ますと、シャリが不味くなる)
- 柵のまま、タチウオの皮目に日本酒を塗る
指先を日本酒で湿らせて、タチウオの柵の皮目を撫でるようにして湿らす。
- これをおこなった方が炙った時に臭みがよく取れる
- ほんのりとお酒の香りも立つので美味しい
- 皮が湿っている方が皮が焦げにくい、焦げ臭くなりにくい(要するに、酒が無ければ水でも構わない)
- 柵を炙る
柵のままガスバーナーで皮目だけを炙る。柵ではなく、食べる時の大きさに切ってから酒を塗って炙ってもよいが、やや火が通りやすいので注意。まぁ、お好きなように。
- 寿司用の大きさに切る
タチウオのサイズにもよるが約10 cm、小さいタチウオなら、穴子のお寿司のように大きめに切るのもよい。切ったものは皮を下に向けて調理バットに並べる。
- 寿司を握る
- 右側に酢飯を置く
- 左側にネタを置く
- ワサビと手酢をそれぞれ小さな容器にいれて、置きやすい場所へ置く(普通は右手を浸けるので、酢飯の左側に置く)
- 手酢
てず
米酢と水を1:1で割ったもので、手を濡らす液体。シャリが手に付かないようにするのが目的で、抗菌効果もある。1貫握る度にその都度 手を濡らす。
以下を参照してください。
すしの全て – 実践編 – すしの作り方 握り方編
炙り
握り寿司の時の要領とほぼ同じです。(画像は師匠が調理したものを借用)
- 柵のまま、タチウオの皮目に日本酒を塗る
指先を日本酒で湿らせて、タチウオの柵の皮目を撫でるようにして湿らす。
- これをおこなった方が炙った時に臭みがよく取れる
- ほんのりとお酒の香りも立つので美味しい
- 皮が湿っている方が皮が焦げにくい、焦げ臭くなりにくい(要するに、酒が無ければ水でも構わない)
- 柵を炙る
柵のままガスバーナーで皮目だけを炙る。柵ではなく、食べる時の大きさに切ってから酒を塗って炙ってもよいが、やや火が通りやすいので注意。まぁ、お好きなように。
- 一口大に切る
細長くなるように、斜めに包丁を入れる。そぎ切りにするかは自由だが、切ってから炙ると火が通りやすいので不向き。あとは皿に盛り付ければ完成。
タチロール
タチウオの料理と言って釣り人が思い浮かべるのがタチウオのロール揚げ、タチロールかもしれません。とは言ってもレシピはごく簡単です。
- 三枚に卸したタチウオとあおしそを一緒に丸めて、爪楊枝で留める
あまりに長い身を何重にも密に巻くと、揚げた時に中心部分の衣に火が通っていないこともあるので、あまりグルグル巻かないほうがいい。中心は空洞のほうが好ましい。
- 天ぷらの衣を付けて、180℃前後で揚げる
天ぷらの衣の材料と分量 材料 分量 小麦粉 120 g 片栗粉(無ければ小麦粉だけで良い) 30 g 卵黄 1つ 氷水 180 mlほど 処理が適切なら釣ってから1週間でも生食が可能なので、完全に火を通す必要はないし半ナマくらいのほうが美味しいので、衣が揚がれば早めに取り出す。
天ぷら
タチロールと形状が違うだけで、中身は一緒なのでレシピは省略する。
あおしそとタチウオの身を重ねて一緒に衣に浸けて、衣が揚がったら早めに取り出す。
タチロールの手間が惜しい人にはもってこい。
刺し身
- 皮目に隠し包丁を2,3回入れながら、一口大に切る
タチウオの皮は生で食べると硬いので、隠し包丁はしっかり入れた方がいい。
ただ、どうしても皮が生臭い傾向にあるので、完全に生のお刺身はあまりオススメはしない。炙った方が断然美味しい。
タチウオの卵巣の煮物
タチウオに限らず、沢山魚が釣れた時には卵巣を取り出して、まとめて魚卵の煮物するといい。
釣れたタチウオを相対的に大きいサイズと小さいサイズの2つに分けた場合、ほぼ確実に大きい方がメスで、小さいほうがオス。前回は30匹ほど釣って全て持って帰ったが、25匹くらいはメスだった。メスのほうが食欲旺盛なのかな。
- 腹から卵巣を取り出す
前述の通り、肛門から包丁を入れると卵巣の膜を破きやすいので、すこしズラして腹を開けたほうがいい。包丁もあまり深く入れないこと。
- 軽く水で洗い流して洗浄する
卵巣の膜が破けている場合、流水によってどんどん卵が流れてしまうのであまり丁寧にやらなくても良い。
さっと洗ったら、なるべく水気を切った状態で小さな器に入れる。(わざわざ拭かなくても良い)
- 日本酒で生臭さを取る
生臭みを取るため、この状態で日本酒をひたひたまで入れて、10分~30分漬け込む。
- 漬け込んだ酒を捨てる
漬け込んだ酒を捨て、鍋に移す。
- 調味料を加えて加熱する
濃口醤油に、みりん、日本酒を少々加えて煮詰める。卵に火が通ってふっくらし、醤油などが少し煮詰まれば完成。
西京焼き
タチウオの味が淡白で、西京味噌に負けるのであまり良い調理法とは思えないが、沢山釣りすぎて生食できない分を味噌漬けにしてから冷凍保存するのは便利。
冷凍する場合は、小分けにしておかないと、解凍する時に苦労するので注意。
- 西京味噌を作る
市販のものでもいいが、甘すぎるので自分で調味している。
西京焼きの材料(タチウオ3匹分) 材料 分量 白味噌 大さじ3杯 みりん 大さじ2杯 酒 大さじ1杯 - 味噌に漬け込む
三枚に卸さず、3等分くらいにしてバットに入れた時の状態のまま味噌に漬け込む。
- 焼く
味噌がほんのり焦げるくらいまで焼けば完成。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません