ショアから狙うマダコの釣り方(タコエギ、タコジグで)

2019/05/15タコイイダコ,タコエギ,タコジグ,マダコ

タコエギやタコジグを使ったタコ(マダコ)の釣り方を紹介します。

マダコの生態、生活史、繁殖期、旬などに関する情報はこちらでまとめています。↓↓↓

子供でも簡単に釣れるし、片付けがラク

夏の釣りと言えば、青物やタチウオ、手軽なサビキと色々ありますがマダコ釣りも醍醐味のひとつです。子供でもサビキ並に簡単に釣れるのでお子さんがいらっしゃる家庭は夏休みのイベントのひとつとしてどうですか?

サビキ釣りも簡単な釣りのひとつですが、エサも必要だし臭いし、掃除が大変です。でもルアーを使ったタコ釣りなら、ルアーを回収したらすぐに帰ることが可能。つまり面倒な後片付けをしなくてもいい!

歩き回る必要がある

サビキ釣りとは違い、漁港や防波堤を歩き回る必要があります。なのであんまり幼いお子さんには不向きです。子供だけに単独でやらせるなら、それなりに自分で責任をもって行動が取れる中学生以上が無難でしょう。親がずっとついて回るなら話は別ですが。

ルアーを使ったタコの釣り方は大きく2つに分けることができます。

1. 沖を狙う

タコエギ、タコテンヤなどを沖に向かってちょい投げ~ロングキャストしたり、防波堤沿いの海底を防波堤と平行に探る。

2. 岸壁沿いを狙う

沖堤防や漁港堤防の岸壁・ケーソン(堤防の継ぎ目)にタコジグを這わせる。

1. キャストで沖を狙うならタコエギ、タコテンヤ(カニルアー)

タコエギ

タコエギとは、エビや魚に似せたルアーにナス型などのオモリが付いたもの。イカ釣り用の餌木の形に似ています。サイズは主に小型で2.0号~大型で4号まであります。海底で引きずってタコを誘う。

下のオモリで沈みますが、本体は軽くて、水中に浮かぼうとします。このため、針自体は根にかかりにくいです。

タコテンヤ

タコテンヤとは、針の付いた台座にカニルアー、活蟹、生魚などをワイヤーや釣り糸でくくりつけた仕掛け。海底で引きずってタコを誘う。

タコエギ、タコテンヤの場合は沖に向かって投げたり、岸壁と平行に投げて底を引きずると途中で突然重くなります。根掛かりのようにその場から動かなくなるけど、岩に引っかかるゴリゴリした感じが無い状態です。
重さを感じたら、一息置いてからフッキングしてそのままテンションを掛けてリトリーブするだけです。

タコテンヤの水中映像

下の動画は、岸壁と平行に引きずるカニルアーを使ったタコテンヤにタコが食いつく瞬間です。(タコ釣り動画でも私が特に好きな動画)
多くの人が持つイメージとは違い、活性が高ければ結構遠くからでも飛びついてくることがあります。

ロッドが重くなってもタコが足を少ししか乗せていない場合もあって、そこでフッキングすると乗らないこともあります。なので、重みを感じたら2,3秒間シェイクして、逃げようとするエサを演出してタコがしっかり覆いかぶさるまで待つのも1つのテクニックです。

特にタコが海底に張り付いた場合は力づくで引き剥がす必要があり、足先しか掛かっていない時は身切れしたりタコ自身が足を自切する場合もあるので注意が必要です。特に中途半端なフッキングをすると、タコが張り付く隙を与えることになります。少しスウィープ気味でフッキングしてその勢いのまま海底から引き離し、あとはロッドを固定して一定のテンションでリトリーブだけするのが無難です。

ラインは絶対に緩めないことが大事です。

陸上での視点、タコエギのロッドワーク

下の動画で映ってる釣り場は岸和田一文字の白灯です。8月中旬(ちょうどお盆前後)に私はここに行ったことがあります。少し大きいのが1匹と小さいのがパラパラとしか釣れませんでした。(今度リベンジしたい)

タコエギのように前後で形状が違うルアーの場合、テンションをかけずに着底させようとすると、スパイラルフォールしたり、岸壁に突っ込んだり遠ざかったり思ってもみない方向へフォールしてラインと絡むこともあるので、軽くテンションを掛けたほうが無難です。

大抵の場合、そこにタコが居ればすぐに飛びついてきます。20秒も30秒も同じ場所でステイ、シェイクで粘るよりも、5秒~10秒で見切ってどんどん違う場所を狙っていくほうが効率よく釣ることができます。

サイトフィッシングが楽しい

こんなふうにサイトフィッシングで釣れることもよくあります。

特に海水浴場の近くにあるような「まさかこんなところにいる?」と思えるような浅瀬の堤防でも隠れていたりして、タコの目の前を通せば飛びついてきます。

私がサイトフィッシングでよく使っているのはヨーヅリタコやんの2.5号です。2.0号、3.0号、3.5号もありますけど、3号はちょっと大きいかな~という印象があるのと、3号以上のフックの形状が嫌いなので2.5号のピンクとか白を使っています。

見える楽しさもあるし、根掛かりしにくいし、合わせるタイミングも分かりやすいので初心者の方にも向いています。

もうひとつオススメしたいルアーはデビルエイトクローです。

このルアーにはワイヤー製のV字の2本の足が付いていて、そこで姿勢を安定させるし、本体を浮かせて根掛かりを防いでくれます。上の動画でもタコやんデビルエイトクローが両方とも使われていますね。

2. 岸壁沿いを狙うならタコジグ

タコジグ

オモリの下に四方八方に針が伸びたイカリ状のし掛け。タコのようなデザインのカバーが付いているのが一般的。

底だけにいるとは限らない

岸壁の場合、一番底じゃなくても中間付近の壁にタコが張り付いていることが多いです。釣れない場合は底から2 mとか、4 mとか、色々レンジを変えましょう。

岸壁は水面から攻める

釣り人が同じ立ち位置でも、岸壁には上にも底にもタコがいる場合があります。

もし最初にドボーンと底まで一気に落として下から攻めると、底で釣ったタコを回収するときに上のタコを驚かせてしまう可能性があります。なので岸壁を攻める時は水面側から底へ向かってルアーを少しずつ送り込んだほうが良いです。

この場合、少しずつラインを送り出す必要があるため、ベイトリールのほうが圧倒的に有利です。

潮と同じ方向に歩こう

水面から底に向かって垂直に攻める方法に対するもう1つの攻め方は、攻めたいレンジまで沈めてから壁を這わすようにして同じレンジを攻めていく方法です。

周囲に釣り人が少なかったり同じようにタコ釣りをしている人が多い時に使えます。潮の流れが速い場合は潮と同じ方向に歩いてください。そうじゃないと・・・

  • 潮の抵抗を受けてタコジグが浮き上がり、狙ったレンジを通ってくれなくなる。

  • 潮の抵抗で疲れる。

  • アタリも判りにくくなる。

  • ゴミが海流に乗って流れてくる場合、海流に逆らうとPEにゴミがどんどん引っかかって釣りにならない。

これは結構重要ですよ。

ケーソンを狙おう

ケーソンとは、防波堤の継ぎ目の隙間のこと。上部はほとんど隙間がなくて「いくらタコだからって、こんなに狭いとこに入れる?」と思いますが、底のほうはすごく広がっている場合が多々あり、チヌなどが棲み家にしている場合もあるくらいに広い場合もあります。

岸壁を広く探るのもいいですが、ケーソンに差し掛かったら入念に攻めてみましょう。

ケーソン

ケーソンとは、釣り用語においては防波堤の継ぎ目の隙間を意味します。

でも本来のケーソンとは土木工事における既成部材で、防波堤を構築する時に使用される1つの巨大な中空のブロックです。上は開いていますが底は閉じています。このブロックを海に設置したのち内部に砕石や砂を入れ、上からコンクリートで蓋をしたもの連続させているのが防波堤です。(すごい土木技術ですね)

つまり釣り用語で呼んでいるケーソンとは、土木工事におけるケーソン同士の隙間を意味します。

タコジグ2連結も広範囲を探るのに有効

タコジグには、上下それぞれにアイが付いている場合があります。これはリーダーを挟んで2連結や3連結にできる仕組みです。

タコジグにはオモリが仕込まれているタイプと、仕込まれているタイプがあります。
2連結以上にする場合は、1番下のジグだけオモリ有りのタイプを使い、上に付けるジグはオモリ無しがオススメです。

なぜかというと、まず単純に重すぎるから。もう1つは、ちょい投げしたい時に2つのオモリがあると投げにくいからです。下のリンクはオモリ有りのタイプです。オモリ有りは単体でも使えますから、多めに持っておきましょう。↓↓↓

バイトの瞬間と気付き方

岸壁に沿ってシェイクさせていると、ティップを下げたりラインを送ってもルアーが沈まずにスラック(糸たるみ)が出たままになる瞬間があります。そこでスラックを軽く取り、その場でシェイクを1~3秒してからフッキングします。

岸壁では色んなものが引っかかります。タコじゃないことは多々ありますけど、気にせずにどんどんフッキングしましょう。

タコ

当たり。

地球

最大のハズレ。

海藻

ハズレ。

カラス貝

ハズレ。

ナマコ

一応アタリ。前に1回だけ釣ったことがあったんですけど、何ナマコかわからなくて逃しちゃいました。フジナマコかな??(詳しい人教えてください)

ホヤ

ブヨブヨした謎の生物。ハズレのようなアタリのような。

ホヤも食べれるんですけど、私がよく行く大阪湾の釣り場で引っ掛かるのはこんなに大きくて綺麗じゃないし、水も汚いのでチャレンジする気すら起きない・・・ホヤ水も釣り針で漏出しちゃうことが多いですし、そもそもちゃんとマボヤなのかさえ不明。

タコ釣りのタックル構成の例

タコ釣りタックル構成
釣法リールロッド道糸リーダールアー
キャスティングスピニング(4000番以上)
or
ベイト(バス用以上)
6~7 ft
タコ専用ロッド
PE4~6号 直結
50~100 m
 タコエギ、タコテンヤ
岸壁、足元ベイトリール(バス用以上)4~5 ft
タコ専用ロッド
5~10号 直結
50 m以上
70 lb以上
(タコジグ2連の場合)
タコジグ

ベイトリールとスピニングリール、どっちが良い?

タコジグならベイトリール

タコジグを使って岸壁を狙う場合は、ゆっくり下へ落としていく必要があるのでベイトリールのほうが向いています。

タコエギならスピニングリール

一方、タコエギを沖合に遠投したいのならスピニングリールを使ったほうが手返しは良いと思います。でも、例えば漁港内で投げたり足元探ったり、色々したいなら総合的にはベイトリールのほうが楽ですね。

あとはラインを50 m以上は巻けるキャパシティーさえあればどんなリールでも大体問題なく使えます。私はブラックバス用のベイトリールを代用しています。

新子の小さいタコならスピニングリールでもどうとでもなりますけど、大きいの狙うとなるとやっぱりスピニングリールでは少しやりづらいと思います。

最適なロッドの長さ

タコジグなら短め(4 ft~5 ft

タコジグを使って岸壁を狙う場合、すぐ足元にルアーを落とす必要があり、ロッドが長すぎるとロッド自体の取り回しが難しくて疲れます。私は4 ftを使っています。かと言って短すぎるのもメンディング(ラインの取り回し)が難しいです。特にタコジグを1 mくらい離して2連結にする場合、ロッドが長いほうが扱い易い場合もあります。(短い竿でサビキ釣りする時みたいな感じになる。)

人によっては5 ft以上を好むかもしれません。

タコエギなら長め(6 ft以上)

一方、タコエギを沖合に遠投したいのならロッドは長いほうが有利です。多くの人は足元ばかりを狙うので、遠投するのも1つの手です。

タコ専用にタックルを揃えてもいいですけど、頻繁にやらないなら違うタックルで代用すれば十分です。たとえば雷魚タックルとか(笑)
ただ、頑丈なロッドが他に無いのなら、ロッドだけは専用ロッドを買ったほうが手っ取り早いでしょう。

ラインの太さ

タコエギなら細め(PE4~6号)

タコエギを沖合に遠投したいのならラインは少し細めのほうが投げやすいです。4 ftのロッドでPE10号のラインをベイトリールで投げようとしてもほとんど飛びません。ルアーにもよりますがせいぜい十数メートルが限界です。

タコジグなら太め(PE5~10号)

強度的にはPE2号や3号でも十分なのですが、タコジグを使って岸壁を狙う場合は岸壁の突起や貝などでラインブレイクする恐れがあるので、少し太めのラインのほうが安心感はあります。ちょい投げなどもする気がないなら特にラインを細くするメリットもあまり無いので、6号とか7号とか太めの選択をしましょう。
繊細なイカとは違い、タコはジグに大きなゴミが付いていても気にせずに食いついてきます。直結のPEが太いくらいで見切られるということはありません。

また、タコジグを2連にする場合はリーダーが60 lbだとすると、道糸のPEは6号(90 lb相当)はあったほうが高切れを防げます。

PEナイロンフロロなどのラインの強度はこちらで一覧表を紹介しています。

とにかくラン&ガン

~は足で釣れという格言がありますけど、これはタコも同じ。じっと同じ場所で辛抱強く釣るカレイ釣りで謂われる鰈は腰で釣れとは違い、とにかく動き回って色んな場所にルアーを通すことが大事です。陸っぱりのブラックバスでもそうですよね。

  • シロギスは足で釣れ

  • タコは足で釣れ

  • 秋イカは足で釣れ

釣れる潮の動き

イカや魚を釣るときの潮の感覚と同じで良いです。

潮の動きはじめ、止まる少し前、干潮や満潮の前後など、潮が大きく動いているときは活性が高くなりやすいです。

逆に、潮が止まっている時は活性が悪いです。あまり深く考えず、普通の魚と同じ感覚でいいと思います。私はそうしてます。

釣れる時間帯

タコは夜行性なので昼よりも夜のほうが活性は高いです。でも、いざ実際に夜中に釣るとなると真っ暗で糸は見えないし、サイトフィッシングもできないし、渡船で沖堤防へ渡ることができないなどの実質的な制約がつきまといます。

また、じっと腰を下ろして釣るならまだしも、真っ暗闇の中を動き回るのは危険を伴うので私個人としてはあまりオススメしません。

昼間でも潮が良ければ真っ昼間でも十分釣れます。経験上、時間帯よりも潮の動きのほうが大事だと感じますね。

マダコの生態、生活史、繁殖期、旬などに関する情報はこちらでまとめています。↓↓↓