猛毒蛸ヒョウモンダコに注意!(実はマダコも毒を持っている)

2018/04/26タコ,ニュース,雑学

ヒョウモンダコという猛毒の蛸が瀬戸内海で発見されたとニュースになっていました。

ヒョウモンダコの唾液にはテトロドトキシンが含まれている

ヒョウモンダコの唾液にはテトロドトキシンとハパロトキシンという毒成分が含まれています。

テトロドトキシン

フグ、アカハライモリ、ツムギハゼ、ヒョウモンダコ、スベスベマンジュウガニなどが持つ猛毒。毒性は青酸カリの850倍程度。 語源はフグ科の学名 (Tetraodontidae) と毒 (toxin) の合成語。

ハパロトキシン

Wikipediaによると、テトロドトキシンは獲物である甲殻類には無害。甲殻類を麻痺させるためにハパロトキシンを持つとある。(しかし要検証となっている)

うーん、スベスベマンジュウガニっていつもスベスベシュウマイガニって読んじゃう。

ヒョウモンダコの種類と特徴

体長

約10 cmでとても小柄。

体色や柄

マダコと同様に、普段は岩礁や砂礫の色に変化してカモフラージュしている。刺激を受けると体色は黄色に変化し、丸い青色や黒色のリング状のヒョウ柄を浮かび上がらせる。この豹の紋が豹紋蛸の名前の由来。

触腕

触腕は細く、シルエットだけなら飯蛸やテナガダコ(アシナガダコ)とそんなに変わらない。
日本ではタコ足と呼ばれることから足だと勘違いするが、学術的には腕に相当する。

「ヒョウモンダコ」って言うとある特定の種のように感じますが、厳密にいうと「ヒョウモンダコ属」という上位分類であって、下位分類に存在する4種類のヒョウモンダコの総称です。

Hapalochlaena lunulata(英名:Greater blue-ringed octopus、和名:オオマルモンダコ)

ヒョウモンダコ属の一種。鮮やかな青色のリング状の豹紋を持つ。

Hapalochlaena fasciata(英名:Blue-lined octopus)

日本で一番多く見られるヒョウモンダコ属の一種。青い豹柄の周辺が濃い茶色をしていて、それらがつながって茶色い縞模様にも見える。

Hapalochlaena maculosa(英名:Southern blue-ringed octopus)

ヒョウモンダコ属の一種。

Hapalochlaena nierstraszi(英名:Blue ring octopus)

ヒョウモンダコ属の一種。英語版wikipediaによると、1938年にインド南部のチェンナイ海岸(インド東部にあるベンガル湾内)で捕獲されたものの標本が1つあり、2体目の標本は2013年との記述がある。(PDF詳細の日付では2012年7月28日となっている)

イイダコの模様

青いリング状の模様を持つのはヒョウモンダコだけではありません。食用にもなるイイダコは、触腕の付け根付近の両肩にそれぞれ1つあります。(つまり合計2個だけ)

イイダコの青いリング状の模様

この写真ではなんかオークリーのロゴみたいに扁平していますが実際にはまん丸な形をしています。ちなみにこのイイダコは2017年6月28日のキス釣りで弟弟子が釣ったイイダコです。マダコよりも身が柔らかくて上品なお味。

ヒョウモンダコが年々北上

絶対触らないで 猛毒のヒョウモンダコ、瀬戸内海で発見相次ぐ

2018年4月25日付けの神戸新聞のニュース。

ヒョウモンダコが発見されたニュースは以前からあります。

徳島の磯で猛毒ダコ捕獲 注意呼びかけ

2017年10月7日付けの毎日新聞のニュース。

猛毒ダコ注意 神奈川沿岸で捕獲、かまれると死亡も 温暖化で北上か

2013年8月3日付けの日経新聞のニュース。

たぶん注意喚起が目的で毎年のように報道しているということもあるんでしょうけど、発見される地域が広がっているような。
「今まで目撃が多かったのが長崎県や和歌山県、千葉県など暖流(黒潮)のある太平洋側だけだったのについに瀬戸内海まで来たのか」と思ったら、2016年のニュースでも既に鳥取県の沿岸や島根県、隠岐諸島でも確認されています。つまり西日本はほぼ全域ってことになりますね。

マダコも毒を持つ

ロクマルも去年からオクトパッシングデビューしてマダコ釣りをしていますが、実はマダコも毒を持っているんですよ。よく挙げられるのは次の2つの成分です。

チラミン

さまざまな食品に含有されており、高血圧発作の誘因となる化合物。チラミンを含む食品は、赤ワイン、熟成チーズ、チョコレート・ココアなどのカカオ製品、漬け物類、発酵食品、薫製魚、トリの肝臓、イチジク、豆の一部、柑橘類など。
モノアミン神経伝達物質と構造が似ている。

セファロトキシン

タコの唾液から抽出したセファロトキシンでカニの動きが麻痺したが、チラミンでは麻痺作用を再現できなかったというNatureの論文。

人間も噛まれると普通に噛み傷に比べて痛みが長期間継続するとされています。(噛まれたことないから分からん)
どちらの毒がどれくらい影響しているのかわかりませんけど、Natureの論文の限りではチラミンではなくセファロトキシンが捕食物であるカニなどの甲殻類に対して毒として作用しているようです。

皆さんも海釣りや海水浴に行った時はヒョウモンダコやカツオノエボシに注意してくださいね。

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