厚手のグランドシート(蝋引き、パラフィン帆布)【国内ブランド】
キャンプ用、レジャーシート用の兼用として厚手のグランドシートを1枚は持っておきたい。
グランドシートとは
英語だとGroundsheet、グラウンド=地面に敷くシートのこと。スペリングに従えばグラウンドシートなんですが、日本ではグランドシートという表記が一般的みたい。
色んな使い方があって汎用性の高いキャンプギアです。
- テント保護のためのシートとして
- タープ下の床として
- キャンプ外のレジャーシートとして
- タープの代用として
- キャンプサイトの風防幕、陣幕として
- 薪を運ぶトートバッグとして
厚手のロウ引きやパラフィン帆布を選ぶ理由
「よし、グランドシートかレジャーシート買うぞ!」ってなった時、色んな候補が目に止まります。
- ペラペラのグランドシート
- 厚手のPEVAコート(エチレン酢酸ビニルコポリマー)
- PUコート(ポリウレタン)
- PVCコーディング
こういうものもありますけど、結局はロウ引きやパラフィン帆布のほうがいい。
風で飛ばないから
厚手のグランドシートはペグを打たなくても安定して配置できるし、広げるときに風に翻弄されてワチャワチャすることもない。多人数ならワチャワチャするのもそれはそれで楽しいけど、ソロキャンプでこれはつらい。
地面の凹凸を軽減できるから
厚みやハリがあると、石や小枝など地面の凹凸を軽減できるので、そのまま寝転べる。
荷物を減らせるから
ブッシュクラフトのこんな格言をご存知ですか。
The more you know the less you carry
Mors Kochanski知れば知るほど、装備が減る
モルス・コハンスキー
たぶん元ネタはオーストラリア先住民アボリジニのThe more you know the less you need : 知れば知るほど、必要なものは少なくなる
という格言だと思いますが、どちらもいい格言ですよね。
- Mors Kochanski(モルス・コハンスキー)
ブッシュクラフト、サバイバルのインストラクター、博物学者、作家。
厚手のパラフィン帆布が一枚あれば、基本的にはこれだけで完結できるので、結果として荷物が減らせます。
- 風で飛ばないからペグが減らせる
- 代用できるから薪トートが不要になる
- 地べたに座れるようになるのでチェア・テーブルがなくてもよくなる
- ロープでベッドを作ってその上にグランドシートを敷けばコットも要らない
ロープのベッドはまぁ・・・日本のキャンプ場だと木を使ったロープワークでのベッド作りはなかなか難しいし、かといって地べたで寝るのも疲れるので、キャンプをどこまでサバイバルモードにするのかにもよるのですが、選択肢を広げてくれるのは確か。
「ロープでベッド!?どうやって??」って人は下の動画を見てみてください。
耐久性・持久性があり、補修が簡単だから
パラフィンが落ちない限りは防水性・撥水性が続きます。しかもパラフィンが落ちた部分だけ塗り直せば防水性は復活するのでメンテナンス性が高く、一生物として使うことができるのが利点。
PEVA加工やPU加工の製品は経年劣化でボロボロになったら買い替えるしかなくて、(久しぶりに使うか~)と出してみたら劣化してもう使い物にならなくなってるというのはライトユーザーあるある。パラフィン帆布もカビの発生には注意が必要だけど、少なくとも経年で使い物にならなくなるという心配がありません。
重すぎないから
パラフィン帆布は重いという印象の人も多いですが、パラフィンを含浸させた布は湿気や水分を吸収しにくいので、実は意外にもパラフィン加工無しの布と重さがそこまで変わらない。しかも両面とも生地が露出しているので速乾性が高い。(下の動画にはHOBIの大井社長も出演しています)
防汚性が高いから
PEVA素材やPU素材だと、水分と一緒に濡れた落ち葉・泥がベッタリとついて、シャワーするか乾かないとなかなか落ちませんが、帆布なら水分自体が付きにくい。しかも、もし汚れがべったり付いても、乾かした後に叩いたりブラッシングするだけで落とせます。(パラフィン帆布を洗剤で洗うのはNG)
各製品のスペック一覧
下記一覧表はこのページで紹介する製品です。「帆布の種類」と「防水性能」はメーカーの表記をそのまま使っているだけなので、あまりアテにしないでください。
シリーズ名 | 帆布の種類 | 帆布号数 | 厚さ | 防水性能 | 重量 | 1m²あたりの重さ |
---|---|---|---|---|---|---|
HOBI サバイブシート | プレミアム帆布 | 9号 | 約1mm、最高重厚 | 特殊防水 | 2380g (DL) | 0.648kg/m² (210×175cm:DL) |
HOBI HobidaysサバイブシートLite | 粗目風情仕上帆布 | 10号 | 0.9mm、厚手 | 撥水 | 1720g (3L) | 0.573kg/m² (200×150cm:3L) |
HOBI 三代目サバイブシート | 極軽帆布 | 不明 | 軽量薄手 | 高撥水 | 1220g (3L) | 0.407kg/m² (200×150cm:3L) |
ヴァストランド グランドシート 帆布生地 | 帆布 | 16oz(7号相当) | 撥水 | 1.7kg | 0.671kg/m² (195cm×130cm) | |
concos グランドシート | 帆布 | 6号相当 | 0.8mm、厚手 | 撥水 | 1.9kg | 0.707kg/m² (131cm×205cm) |
concos グランドシート ライト | 帆布 | 6号相当 | 0.8mm、厚手 | 撥水 | 0.92kg | 0.866 kg/m² (81cm×131cm) |
FUTURE FOX 帆布グランドシート | 帆布 | 12oz(10号相当) | 撥水 | 1.5kg | 0.534kg/m² (208cm×135cm) | |
asobito マルチシートL | 帆布 | 撥水 | 1.12kg | 0.579kg/m² (140cm×138cm) | ||
asobito マルチシート | 帆布 | 撥水 | 0.58kg | 0.600kg/m² (70cm×138cm) |
もくじ
HOBI サバイブシート
性能別に3つのシリーズがあります。
- プレミアムシリーズ(重厚)
- Liteシリーズ(中厚)
- 三代目シリーズ(軽量薄手)
- HOBI
HOBIブランドを展開するホビスタンダード合同会社は千葉県浦安市を拠点とし、2020年に設立した会社。
「ロウ漬」パラフィン加工が別格
一般的なパラフィン加工は表面のみの加工ですが、HOBIの帆布はパラフィンのプールにドブ漬けする「ロウ漬」という特殊なパラフィン加工が施されています。(従来製品は、表面だけに擦り込む「蝋引き」が一般的)
芯までロウを染み込ませることで高い撥水性と防水性を持たせているのが特長です。
仕様(シリーズ)、色、サイズの組み合わせでバリエーション豊富
シリーズ名 | 帆布の種類 | 帆布号数 | 厚さ | 防水性能 | 重量 | 重量/m² |
---|---|---|---|---|---|---|
HOBI サバイブシート | プレミアム帆布 | 9号 | 約1mm、最高重厚 | 特殊防水 | 2380g (DL) | 0.648kg/m² (210×175cm:DL) |
HOBI HobidaysサバイブシートLite | 粗目風情仕上帆布 | 10号 | 0.9mm、厚手 | 撥水 | 1720g (3L) | 0.573kg/m² (200×150cm:3L) |
HOBI 三代目サバイブシート | 極軽帆布 | 不明 | 軽量薄手 | 高撥水 | 1220g (3L) | 0.407kg/m² (200×150cm:3L) |
どのシリーズがいいかはシチュエーションにもよるでしょうけど、一番汎用性が高いのは三代目(薄手軽量)よりもHobidaysサバイブシートLite(中厚手)かな。というのも、ガチでベチャベチャの地面で使用する頻度は極めて低いので、高い防水性よりも地面の凸凹を吸収してくれる厚みのほうが大事だからです。
国内生産・国内加工がウリ
HOBIのグランドシートは、国内生産の帆布を国内でパラフィン加工しています。明確にそう謳っているのはHOBIくらいかも。
別に海外生産品が必ずしも粗悪なワケではありませんが、メーカーと委託先の生産工場の間に物理的な距離や言語や文化の壁がある場合、1つの製品として作り上げるうえで品質のネックになるうるのは確かです。そういうところに安心感を求める人にはHOBIのグランドシートは最適といえます。
VASTLAND(ヴァストランド) グランドシート テントシート
- VASTLAND
ヴァストランドは2018年に設立された兵庫県姫路市を拠点とする日本発祥ブランド。
シリーズ名 | 帆布の種類 | 帆布号数 | 厚さ | 防水性能 | 重量 | 1m²あたりの重さ |
---|---|---|---|---|---|---|
ヴァストランド グランドシート 帆布生地 | 帆布 | 16oz(7号相当) | 撥水 | 1.7kg | 0.671kg/m² (195cm×130cm) |
蜜蝋を使用
多くの帆布グランドシートは撥水材として石油系のパラフィンを使っていますが、ヴァストランドの帆布はミツバチから採取される蜜蝋を採用。パラフィンと比べてベタつきが少なく、蝋引き・ロウ塗りしやすいのが特長です。
16oz帆布
concos グランドシートは6号相当の帆布生地。このページで紹介するなかでは、concosに次いで太い7号相当(16オンス)の帆布生地を使用しています。
グランドシート以外では使えないので注意
メーカーが「ハトメの破損につながるため、グランドシート以外の用途では絶対に使用しないでください」というアナウンスを出しています。メーカーから直接購入した場合でも、用途外の使用での不具合については補償・交換・返金の対象外となるので注意。
concos グランドシート
- concos
concosは小規模ECサイトから発展した日本発祥ブランド。
シリーズ名 | 帆布の種類 | 帆布号数 | 厚さ | 防水性能 | 重量 | 1m²あたりの重さ |
---|---|---|---|---|---|---|
concos グランドシート | 帆布 | 6号相当 | 0.8mm、厚手 | 撥水 | 1.9kg | 0.707kg/m² (131cm×205cm) |
concos グランドシート ライト | 帆布 | 6号相当 | 0.8mm、厚手 | 撥水 | 0.92kg | 0.866 kg/m² (81cm×131cm) |
※ノーマルとライトでは1m²あたりの重さが違います。おそらくですが、仕様は同じではあるもののライトのほうが面積に対して縁の折返しが多いので、数値が高くなっているのかもしれません。
- 耐久性
生地の耐久性は横方向で70Kg、縦方向では100Kg。
グランドシートとしては十分すぎる耐久性。
- はっ水性
撥水性はテスト機関の5段階評価中4の撥水性。
※防水ではなく撥水なので、水に浸し続けるなどすると水分が少しづつ染み込む。
- UVカット
最高水準のUPF 50+。
- 通気性
風やチリをほとんど通さないという0.1cm/(cm²・s)未満という防塵性能における最高評価。
6号帆布相当
日本では一般的に、帆布は1~11号で表記されます。1号が最も撚り数が多い糸で重厚になります。市販の衣料品の帆布は8~11号が多い。(20号、26号、79号厚織みたいなのもありますが割愛)
HOBI サバイブシート(プレミアム)でも9号なので、concosが使っている6号相当というのはかなり太い部類です。
FUTURE FOX 帆布グランドシート
- FUTURE FOX
FUTURE FOX(フューチャーフォックス)は南信州発のアウトドアブランド。
シリーズ名 | 帆布の種類 | 帆布号数 | 厚さ | 防水性能 | 重量 | 1m²あたりの重さ |
---|---|---|---|---|---|---|
FUTURE FOX 帆布グランドシート | 帆布 | 12oz(10号相当) | 撥水 | 1.5kg | 0.534kg/m² (208cm×135cm) |
ハトメが4つ
四隅にしかないので、タープとして使う場合は吊り方に制約があるので注意。
asobito(アソビト) マルチシートL
- アソビト
アソビトは、1995年(平成7年)1月設立、大阪府大阪市城東区の日本企業ビッグウイングの展開するブランド。
BIGWINGは自社ブランドasobitoのほかにもSTANLEY(アメリカ、1913年創業)、AO Coolers(アメリカ、1990年創業)、Snugpak(イギリス、1977年創業)、KAMMOK(アメリカ、2010年設立)などの海外ブランドを取り扱っている。
シリーズ名 | 帆布の種類 | 帆布号数 | 厚さ | 防水性能 | 重量 | 1m²あたりの重さ |
---|---|---|---|---|---|---|
asobito マルチシートL | 帆布 | 撥水 | 1.12kg | 0.579kg/m² (140cm×138cm) | ||
asobito マルチシート | 帆布 | 撥水 | 0.58kg | 0.600kg/m² (70cm×138cm) |
ハトメは6つ or 8つ
Lサイズのハトメは各辺に3つずつで合計8つ。ノーマルサイズのハトメは長手に3つずつで合計6つ。サイズによってハトメの数が違うので注意。
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