持って帰った魚の身が白く濁る&ブヨブヨになる、原因は何?
- この記事の概要
- 魚の身が白くなってしまう原因は何なのか
- ブヨブヨ、ブニュブニュした身になってしまう原因は何なのか
- それらの解決策の提示
先日、究極の神経締めについてまとめた記事で質問をいただきました。
釣った鯛(白身魚)を持ち帰り、捌いてみたら白くぶにゅぶにゅしていた。対策を教えてほしい。というものでした。
原因は浸透圧の差
- 白く濁る
- 身がブヨブヨになる
この2つが同時に起こる可能性が最も高い原因は、魚体とその周囲との浸透圧の差によるものです。
一般的には、海釣りで釣った海水魚を塩分濃度の低い氷水に長時間にわたって直接浸した場合、魚体から氷水へと魚の旨味などが溶け出してしまいます。魚の身は白く濁り、ブヨブヨ・ブニュブニュとした、ふやけたように軟らかい状態になります。
例えば漬物を作る時、ぬか床に浸けたばかりの野菜は塩分濃度が低い(=浸透圧が低い)、ぬか床は塩分濃度が高い(=浸透圧が高い)状態にあります。
これを1日放置すると、ぬか床の塩分や旨味が野菜に浸透していきます。代わりに野菜からは水分が出ていきます。高い方から低い方へと、浸透圧が均質になるように動きます。
クーラーボックスの中ではこれと反対の事象が起こります。
魚の旨味はクーラーボックス内部の氷水に溶け出し、クーラーボックスの水は魚に吸収されます。その結果白いブヨブヨの身になり、食べても美味しくないのです。
これの解決策は明快で、氷水に浸さなければいいだけです。方法は2つありますが、前者がオススメです。
- 魚を袋に入れて、その袋を氷水などが入ったクーラーボックスに入れることで、水との接触を遮断する
- ペットボトルに真水を入れて凍らせたものをクーラーボックスに入れる→そこへ少量の海水を注ぐ→釣った魚を直接その海水に浸す
身がブヨブヨするその他の原因
単にブヨブヨになるだけなら別の原因も考えられます。
- 魚がコンクリートや磯の岩肌に強くぶつかった場合
ぶっこ抜いた魚を高い位置から地面に落としてしまうと身割れが起こる。
魚を〆ようとして魚体を地面に置いた時、魚が暴れて身体を打ち付けることで打ち身によって身割れが起こる。
- 魚を捌く時に肋骨を大きく開いたり魚体を強く曲げた場合
魚を捌き、内蔵や血合いを掃除する際についうっかり肋骨を大きく開いてしまう。この時に身割れが起こる。
- もともとブヨブヨした身の魚である場合
例えばサワラ、サゴシなどはどんなに新鮮であっても、身はハマチや根魚のようにはプリプリしていない。
初めて釣った人の中には腐敗が進行したのかな?と勘違いする人もいる。また、そういった魚は身割れも起こしやすいので丁重に取り扱う必要がある。
血中の酵素による分解
例えば血抜きが完璧ではなかったとか、神経締めや脳破壊が完璧ではなかったからといって、帰宅した時点で目にみえるような大きな変化が魚体に見られることはそうありません。
血が残ってたから捌いたら血が出てきたとか、そういう直接的なことはありますけどね。
ただし、それは帰宅した時点までの話です。
血抜きが不十分で体内に大量の血が残っている場合は、血中に含まれる酵素の働きによってタンパク質が分解されやすくなるので、長期熟成させると身が柔らかくなりやすい傾向にあります。
これについては、下記リンクも併せて読んで頂いたほうが理解が深まるかと思います。
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