ルアーの動きにキレを出したい時、ラインはナイロンよりフロロの方がいい?
例えばミノーイングする時、ジャークだとかトゥイッチングするためにティップを高速で動かしてルアーに負荷を掛けると釣り糸が伸びるので、伸度の高いナイロンラインよりも硬質なフロロカーボンラインの方がいいのではないか?と考えている人がいるようです。
なるほど確かに。フロロの方がナイロンよりも伸びないんだから、糸の動きはダイレクトにルアーに伝わるという考えに至るのはごく自然です。
でもそれは誤りです。
初期伸度と破断伸度を混同しないこと
確かにフロロの伸度はナイロンよりも低いです。
具体的な数値で言うとナイロンの破断伸度が20-45%ほどなのに対してフロロは17-37%で、伸度の比率で言うと10~20%違うことになりますから若干フロロのほうが有利と言えます。
でも、両者の伸度の違いを比較するなら、破断時ではなく、低荷重時を見るべきです。なぜなら普通はドラグを出して破断強度の1/3程度までしか荷重をかけないからです。そもそも、17-37%と20-45%という数値はそこまで大きな差とは言えません。
- 初期伸度
釣り糸に対する負荷が小さい状態での糸の伸び具合。負荷が大きくなるほど、概ねそれに比例して伸度(伸び率)が高くなる。
- 破断伸度
釣り糸に負荷を掛けていない状態の長さと、切れるまで負荷を掛けたときの長さの比率を表したものです。
フロロのほうが初期伸度が低い
こう言うと、「やっぱりフロロのほうが有利やんか」と思うかもしれません。
でも「何をもって初期と呼ぶのか」なんです。破断強度に対して1%なのか、5%なのか、10 kgなのか。
手でラインをぐいっと引っ張ってみると、確かにフロロのほうが伸びが少ないです。これは経験として誰もが感じていることだと思います。
でも、その「ぐいっと引っ張る」って結構な荷重をかけているんです。ルアーを泳がせる時に、ラインにはそこまで荷重がかかっていないんですよ。
荷重がほとんど掛かっていないということは、たとえ伸びやすいナイロンでさえほとんど伸びていないということです。
要するにフロロとナイロンの伸度に大きな差が無いってことです。
どんなサイズのルアーを使うにしても普遍的に当てはまるルール
これはどんなサイズのルアーを使うにしても当てはまります。なぜなら、普通は大きなルアーを使うなら太い糸を使いますし、極小ルアーなら極細ラインを使うので、破断強度に対する負荷荷重の比率がほぼ一定だからです。
勿論、重いルアーをそれに見合わないような細い糸で投げるなら話は別ですけどね。でもそれはまず根本的に、適正な釣り糸の太さをチョイスするところでつまずいています。
釣り糸の特性などについては下記のリンクを参考にしてみてください。
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