ラバーコーティングのベタベタの完全除去方法(実証画像アリ)

2015/01/25How to,リール,ロッド,雑学featured,エタノール,シャウラ,ラバーコーティング,レサト,可塑剤,樹脂

最近海釣りに傾倒していて、気が付けば半年以上もバス釣りをしていなかった自称ロクマルハンター。

久しぶりにバスロッドのお手入れでもしようとロッドのグリップを握るとねちゃねちゃするというか、なんかねたっとする・・・。どうやらリールシートのプラスチック部分の表面に施されたラバーコーティングが劣化したらしく、溶けたチョコレートのようになっていました。なんでこんなところにゴムを使っちゃうんだろう・・・。

というわけで、劣化したラバーコーティングのベタベタを完全に除去することができたので、実践したラバー塗装の取り方をご紹介します。

これは別に釣具に限ったことではなくて、ラバー素材は色んな製品に使われていて、経年でギトギトしてきます。

  • スーツケース持ち手
  • カメラのグリップ
  • パソコンのマウス
  • ジョイスティックのような電化製品

などなど。本来、ラバーコーティングは手触りを良くする目的で採用されていたりするのですが、直接手に触れる部分がベトベトしてたら気持ち悪いですよね・・・本末転倒です。

原因は可塑剤の溶出や加水分解

ゴムやプラスチックなどの樹脂製品には可塑剤という成分が含まれているのですが、高温多湿の場所に長時間放置していると可塑剤の溶出や加水分解を起こして劣化します。

可塑剤(かそざい)は、熱可塑性合成樹脂に加えて柔軟性や対候性改良する添加薬品類の総称である。可塑とは「柔らかく形を変えやすい」という意味の語である。

wikipedia

手順と方法

用意するものは以下の通り。

ちなみにラバーコーティングを除去したロッドはシマノのシャウラとレサトの2本です。

  • 無水エタノール
  • 布切れ(使い捨て)
  • 使い捨てのゴム手袋
  1. 布切れに無水エタノールを浸み込ませる
  2. ラバーコーティング全体を撫でるようにしてエタノールを馴染ませる
  3. 擦るようにして劣化したゴムを除去する
  4. なかなか除去できない場合はエタノールを馴染ませた後に揮発しないようにラップフィルムなどを被せ、数分放置してから擦る

2本の合計所要時間は10分でした。

ラバーコーティングが布についたら簡単には落ちないので、捨ててもいいボロ布を使います。

今回は無水エタノールに同量の水を加えて50%ほどに薄めても問題なく除去できましたが、除去しにくい場合は加水せずにストレートで試してみて下さい。

シャウラは完全にずるずるだったので簡単に取れましたが、レサトの方はまだそこまで劣化してなかったので除去するのにちょっと手間が掛かりました。

SHAULA:ラバーコーティング除去前
SHAULA:ラバーコーティング除去後
Lesath:ラバーコーティング除去前
Lesath:ラバーコーティング除去後

それぞれとっても綺麗になり、手触りもサラサラになりました!

シマノさん・・・ロッドにはなるべく劣化しないような素材の使用をお願いします・・・。

除光液やリムーバーでも代用可能だけどオススメはしない

無水エタノールが無い場合はマニキュアなどの除光液(主原料がアセトン)でも代用可能です。

IPA(イソプロピルアルコール)8割とアセトン2割の割合で混合した液体で除去する方法もあります。その場合、もし希釈するのであれば水ではなく酢酸エチルを使用して下さい。

ただし、私は次の理由から除光液(アセトン)ではなくエタノールを推奨します。

  • ネイルなどをしない人は、除光液が余っても使い道がない。
  • 除光液だとロッドのグリップがシンナー臭くなる。
  • エタノールは臭いも残らないし、部屋のお掃除に使ったり、消臭スプレーの自作などにも使えるので汎用性が高くて便利。希釈されていても構わないなら消毒用エタノールを買ってもいい。スプレー式の消毒用エタノールは殺菌効果が高くなるように70~80%ほどに水で薄めてあるし、何よりスプレー式は扱いが楽。(純度100%に近いエタノールには殺菌効果がほぼない)
  • マニキュアを使う人なら、除光液でもいいかも。

マニキュア用の薄め液や除光液を格安で自作する方法

市販されている除光液はアセトン、酢酸エステル、その他の溶剤、香料、染料、水などから構成されていますが成分的にはほとんどアセトンです。

問題はアセトンがどこに売っているのか?ということですが、ホームセンターで格安で売っています。今回はコーナンで買ってきました。1リットルで800円から900円ほど。

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