厚手のグランドシートのおすすめ(パラフィン帆布)

2024/03/14camp,アイテムグランドシート

キャンプ用、レジャーシートの兼用として、蝋引き・パラフィン帆布を使った厚手のグランドシートをおすすめしたい。しかも国内ブランド限定で。

グランドシートとは

[グランド=地面]に敷くシートのこと。英語だとGroundsheet。スペリングに従えばグラウンドシートなんですが、日本ではグランドシートという表記が一般的。用途はさまざま。

  • テント底の保護
  • タープ下の床として
  • レジャーシートとして
  • タープの代用品

厚手のパラフィン帆布を選ぶ理由

パラフィン帆布とは、キャンバスのような厚手の生地にワックスを染み込ませた撥水性のあるシートのこと。グランドシートといえば、他にも下記のような色んな素材があり、色んな候補が目に止まります。

  • ペラペラのポリエチレン製(いわゆるレジャーシート)
  • 厚手のPEVA製(エチレン酢酸ビニルコポリマー)
  • PU(ポリウレタン)コート製

でも、長い目で見ればパラフィン帆布のほうがおすすめ。

風で飛ばないから

厚手のグランドシートはペグを打たなくても安定して配置できるし、広げるときに風に翻弄されてワチャワチャすることもない。多人数ならワチャワチャするのもそれはそれで楽しいけど、ソロキャンプでこれはつらい。

地面の凹凸を軽減できるから

厚みやハリがあると、石や小枝など地面の凹凸を軽減できるので、そのまま寝転べる。

荷物を減らせる

ブッシュクラフトのこんな格言をご存知ですか。

The more you know the less you carry Mors Kochanski

知れば知るほど、装備が減る モルス・コハンスキー

たぶん元ネタはオーストラリア先住民アボリジニのThe more you know the less you need : 知れば知るほど、必要なものは少なくなるという格言だと思いますが、どちらもいい格言ですよね。

Mors Kochanski(モルス・コハンスキー)

ブッシュクラフト、サバイバルのインストラクター、博物学者、作家。

大抵のことはパラフィン帆布があれば解決するので、結果として荷物が減らせます。

  • 風で飛ばないからペグが不要になる
  • 代用できるので薪用トートバッグも不要になる
  • 直接座われるからチェア、テーブルが減らせる
  • ロープでベッドを作ればコットが不要になる

「パラフィン帆布をどこまで汎用させるか」は「どこまでハードなキャンプをするか」という話にもなってきますが、ゆるキャンでもガチキャンでも便利になることは確かです。

「ロープでベッド!?どうやって??」って人は下の動画を見てみてください。

高耐久で、補修が簡単

パラフィンが落ちない限りは防水性・撥水性が続きます。しかもパラフィンが落ちた部分だけ塗り直せば防水性は復活するので、メンテナンス性が高く、一生物として使うことができます。

一方、PEVA加工やPU加工の製品は経年劣化でボロボロになるし、石や木の枝で穴があきやすく、漏水したら買い替えるしかありません。

重すぎない

パラフィン帆布は重いという印象の人も多いですが、実はパラフィンを含浸させた布は湿気や水分を吸収しにくいので、意外にもパラフィン加工無しの布と重さがそこまで変わりません。しかも両面とも生地が露出しているので速乾性が高い。

防汚性が高い

PEVA素材やPU素材だと、水分・濡れた落ち葉・泥が付くとなかなか落ちませんが、帆布なら汚れが付きにくい。もし汚れが付いても、乾きやすいのでポロっと落ちやすい。

1位:HOBI サバイブシート

性能別に3つのシリーズがあります。おすすめしたいのは「中厚」と「軽量薄手」。

  • プレミアムシリーズ(重厚)
  • Liteシリーズ(中厚)
  • 三代目シリーズ(軽量薄手)
HOBI

HOBIブランドを展開するホビスタンダード合同会社は千葉県浦安市を拠点とし、2020年に設立した会社。

「ロウ漬」パラフィン加工が別格

一般的なパラフィン加工は表面に塗布するだけの「蝋引き」ですが、HOBIの帆布はパラフィンのプールにドブ漬けする「ロウ漬」という特殊なパラフィン加工が施されています。

生地の中心部までロウを染み込ませることで、高い撥水性と防水性を持たせているのが特長です。

仕様(シリーズ)、色、サイズの組み合わせでバリエーション豊富

スペック一覧
シリーズ名帆布の種類帆布号数厚さ防水性能重量重量/m²
サバイブシートプレミアム帆布9号約1mm、最高重厚特殊防水2.38kg (DL)0.648kg/m² (210×175cm:DL)
HobidaysサバイブシートLite粗目風情仕上帆布10号0.9mm、厚手撥水1.72kg (3L)0.573kg/m² (200×150cm:3L)
三代目サバイブシート極軽帆布不明軽量薄手高撥水1.22kg (3L)0.407kg/m² (200×150cm:3L)

国内生産・国内加工がウリ

HOBIのグランドシートは、国内生産の帆布を国内でパラフィン加工しています。明確にそう謳っているのはHOBIくらいかも。

別に海外生産品が必ずしも粗悪なワケではありませんが、メーカーと委託先の生産工場の間に物理的な距離や言語や文化の壁がある場合、1つの製品として作り上げるうえで品質のネックになるうるのは確かです。そういうところに安心感を求める人にはHOBIのグランドシートは最適といえます。

どのシリーズがいいかはシチュエーションにもよるでしょうけど、一番汎用性が高いのはHobidaysサバイブシートLite(厚手)かな。というのも、ガチでベチャベチャの地面で使用する頻度は極めて低いので、高い防水性よりも地面の凸凹を吸収してくれる厚みのほうが大事だからです。

一方、撥水性や軽さを重視したいなら三代目サバイブシート(軽量薄手)がおすすめ。↓↓↓

2位:VASTLAND(ヴァストランド) グランドシート テントシート

VASTLAND

ヴァストランドは2018年に設立された兵庫県姫路市を拠点とする日本発祥ブランド。

スペック一覧
シリーズ名帆布の種類帆布号数厚さ防水性能重量1m²あたりの重さ
ヴァストランド グランドシート 帆布生地帆布16oz(7号相当)撥水1.7kg0.671kg/m² (195cm×130cm)

蜜蝋を使用

多くの帆布グランドシートは撥水材として石油系のパラフィンを使っていますが、ヴァストランドの帆布はミツバチから採取される蜜蝋を採用。パラフィンと比べてベタつきが少なく、蝋引き・ロウ塗りしやすいのが特長です。

16oz(7号相当)帆布

concos グランドシートは6号相当の帆布生地。このページで紹介するなかでは、concosに次いで太い7号相当(16オンス)の帆布生地を使用しています。

グランドシート以外では使えないので注意

メーカーが「ハトメの破損につながるため、グランドシート以外の用途では絶対に使用しないでください」というアナウンスを出しています。メーカーから直接購入した場合でも、用途外の使用での不具合については補償・交換・返金の対象外となるので注意。

3位:concos グランドシート

concos

concosは小規模ECサイトから発展した日本発祥ブランド。

スペック一覧
シリーズ名帆布の種類帆布号数厚さ防水性能重量1m²あたりの重さ
concos グランドシート帆布6号相当0.8mm、厚手撥水1.9kg0.707kg/m² (131cm×205cm)
concos グランドシート ライト帆布6号相当0.8mm、厚手撥水0.92kg0.866 kg/m² (81cm×131cm)
耐荷重性

生地の耐久性は横方向で70Kg、縦方向では100Kg。グランドシートとしてのみならず、コットのようにも使える強度。

はっ水性

撥水性はテスト機関の5段階評価中4の撥水性。※防水ではなく撥水なので、水に浸し続けるなどすると水分が少しづつ染み込む。

UVカット

最高水準のUPF 50+。

通気性

風やチリをほとんど通さないとされる0.1cm/(cm²・s)未満。これは防塵性能における最高評価。

6号帆布相当

日本では一般的に、帆布は1~11号で表記されます。号数が小さいほど撚り数が多い糸で、重厚になります。市販の衣料品の帆布は8~11号が多い。(20号、26号、79号厚織みたいなのもありますが割愛)

HOBI サバイブシート(プレミアム)でも9号なので、concosが使っている6号相当というのはかなり太い部類です。

4位:FUTURE FOX 帆布グランドシート

FUTURE FOX

FUTURE FOX(フューチャーフォックス)は南信州(長野県南部)発のアウトドアブランド。

スペック一覧
シリーズ名帆布の種類帆布号数厚さ防水性能重量1m²あたりの重さ
FUTURE FOX 帆布グランドシート帆布12oz(10号相当)撥水1.5kg0.534kg/m² (208cm×135cm)
10号相当の帆布

標準的な分厚さの生地を採用。

ハト目は4つ

直径は1.8cm。ハト目は四隅にしかないので、タープとして使う場合は吊り方に制約があるので注意

カラー展開

オリーブ、カーキ、ブラックの3色。

5位:asobito(アソビト) マルチシートL

アソビト

アソビトは、1995年(平成7年)1月設立、大阪府大阪市城東区の日本企業ビッグウイングの展開するブランド。

BIGWINGは自社ブランドasobitoのほかにもSTANLEY(アメリカ、1913年創業)、AO Coolers(アメリカ、1990年創業)、Snugpak(イギリス、1977年創業)、KAMMOK(アメリカ、2010年設立)などの海外ブランドを取り扱っている。

スペック一覧
シリーズ名帆布の種類帆布号数厚さ防水性能重量1m²あたりの重さ
asobito マルチシートL帆布撥水1.12kg0.579kg/m² (140cm×138cm)
asobito マルチシート帆布撥水0.58kg0.600kg/m² (70cm×138cm)
裏面の生地端を強化

長く使えるように、ほつれを防ぐ加工。

ハト目

Lサイズのハトメは各辺に3つずつで合計8つ。ノーマルサイズのハトメは長手に3つずつで合計6つ。サイズによってハトメの数が違うので注意

カラー展開

オリーブ、キャメルの2色。

各製品のスペック一覧

このページで紹介している製品一覧表です。「帆布の種類」と「防水性能」はメーカーの表記をそのまま使っています。

スペック一覧
シリーズ名帆布の種類帆布号数厚さ防水性能重量1m²あたりの重さ
HOBI サバイブシートプレミアム帆布9号約1mm、最高重厚特殊防水2.38kg (DL)0.648kg/m² (210×175cm:DL)
HOBI HobidaysサバイブシートLite粗目風情仕上帆布10号0.9mm、厚手撥水1.72kg (3L)0.573kg/m² (200×150cm:3L)
HOBI 三代目サバイブシート極軽帆布不明軽量薄手高撥水1.22kg (3L)0.407kg/m² (200×150cm:3L)
ヴァストランド グランドシート 帆布生地帆布16oz(7号相当)撥水1.7kg0.671kg/m² (195cm×130cm)
concos グランドシート帆布6号相当0.8mm、厚手撥水1.9kg0.707kg/m² (131cm×205cm)
concos グランドシート ライト帆布6号相当0.8mm、厚手撥水0.92kg0.866 kg/m² (81cm×131cm)
FUTURE FOX 帆布グランドシート帆布12oz(10号相当)撥水1.5kg0.534kg/m² (208cm×135cm)
asobito マルチシートL帆布撥水1.12kg0.579kg/m² (140cm×138cm)
asobito マルチシート帆布撥水0.58kg0.600kg/m² (70cm×138cm)