GORE-TEX素材のレインウェアのお手入れ、保管方法
GORE-TEX素材などを使ったカッパ、レインウェアは身体が蒸れないので人気があります。カッパなのになぜ蒸れないかというと、防水透湿性能を持つ高性能なメンブレン素材を使っているからです。でもこの素材は保管方法を誤るとすぐに劣化し、水漏れを起こします。
私のMYカッパ
(私のMYって所有格がダブってるのは気にしない。)
私が2016年に買ったモデルは、(Amazonリンク→)シマノ XEFO・GORE-TEX PRO ACT JK RA-21JP
素材がGORE-TEX Pro 3 layerという高級仕様で、上着だけなのに5万円以上しました。
セットになっているパンツ(RA-21PP)が別売りで、これまた5万円以上で、上下セットだと10万円を超えてしまうシロモノです。
高すぎるので私は別のパンツを買いました。MYパンツはモンベル ストームクルーザーパンツ(1128534)です。ゴアテックス ファブリクス3レイヤーを使用しています。後継モデルだとこれかな?↓
これでも上下合わせると7万円近くになります。滅多に買うことが無いので、どうせなら良いやつ買っちゃえー!と思って買ったんですけど、全然着てないんですよね。(っていうか釣り自体あんまり行ってない)
まぁMYカッパ自慢はここまでにして・・・
驚異的な透湿性、通気性に驚く
今までは、ホームセンターで売ってるような上下セットでも2000円~3000円くらいのカッパを騙し騙し使ってきました。そもそも雨の日に釣りに行こうとは思ってなかったので。
でも最近になって雨でも釣りに行くようになり、GORE-TEX素材のレインウェアを初めて使って、その快適性の違いに驚きました。
まず透湿性、通気性が全然違います。私のは素材がGORE-TEX Pro 3 layerという上位モデルなのもあるでしょうけど、普通の服を着ているような感覚さえ覚えるほどの透湿性です。。雨の中でさえ、カッパを着ている不快感や蒸れる感じが一切ありません。これには本当に驚きました。
ウィンドブレーカーとしても使える
もうひとつは防風性です。今まで使ってた安物のカッパでも防水はできているはずなのに、風が吹くとなんとなく寒さを感じていました。表面の撥水性が悪かったので表面に水の膜が出来ていたので、カッパ表面を水が流れる間にも熱が奪われたり、気化熱でも奪われていたのでしょう。
GORE-TEXは撥水性も透湿性も高いので、風が吹いても寒くないし雨が降っていなくてもウィンドブレーカーとして使えます。例えば、山影や雲で陰って寒いとか、晴れてるけど風が強くてちょっと肌寒い・・・という時です。これがもし安いカッパだと、晴れている時は蒸れるのでムシムシして不快感が凄い。
昔、私は使うかどうかも分からんカッパになんで何万円も払わなアカンねんって思ってました。でも今となってはその考えはちょっと変わってきてますね。私のように上下で7万円も出せとは言いませんが、2万円くらいなら出しても損はないと思います。っていうかむしろそれくらいの価格帯のほうが性能をある程度備えつつ、5年~10年ごとに気軽に買い替えやすいので良いかもしれません。
お金が余ってるなら別ですけど、カッパにそこまで完璧を求めるべきではないと感じます。
劣化の原因
なぜレインウェアに完璧を求めるべきではないかというと、次の2点が挙げられます。
使用頻度が低い。
メンブレン素材が劣化すると使い物にならない。
レインウェアの素材劣化の要因は主に湿気、高温、光、汚れ(皮脂、汗、ほこり)の4つです。
頻繁に使用していればそれなりに保つと思うんですけど、レインウェアはナイロンとポリエステルだけで作られていて、これらは放置するとすぐに劣化して水が染み込んでくるようになります。家も同じで、使われていない空き家はすぐボロボロになりますよね。
原因はの加水分解です。
建築物の場合は人が住まないと室内の空気が乾燥し過ぎて建材がポロボロになることが原因ですけど、レインウェアの劣化の場合は高温多湿による加水分解が主な原因です。以前、ロッドグリップのラバーコーティングが溶けてベタベタする話をしましたけど、カッパ類でも同じことが起こります。
押入れや部屋の片隅に無造作に放置すると起こりやすいです。部屋の隅っこには意外と湿気が留まっていて、ホコリを被ると更に湿気を溜めやすくなります。壁紙も床材も貼られた現在主流のクローゼットならそこそこ大丈夫ですが、板張りで合板やベニヤ板がむき出しの和室の押入れは注意が必要です。
ロッドグリップなどのラバーコーティングなら上記リンク先で紹介している方法で落とせば済む話ですけど、レインウェアはもう使い物にならなくなってしまいます。なので加水分解を徹底的に予防することが大切です。
お手入れ方法
じゃあどうすればいいか?これらを徹底的に排除してやればいいんです。大事なのは次の点。
汗、ホコリ、皮脂汚れを洗濯で落とす。
高温、光を避けて冷暗所に保管する。
除湿する。
1. こまめに洗濯する
GORE-TEXは高級なので、あんまり洗ったら生地が傷んだり防水性が失われて勿体無いと思いがちです。でもGORE-TEXが高級なのは値段だけではなくて、生地自体も高級で丈夫です。むしろ、汚れをほうっておくほうが後で深刻なダメージになるので、普通の服のように汚れる度に洗ったほうが良いんです。
- 淡水域で2,3時間着たけど雨が降らなかった
とかなら話は別ですけど、
- 雨の中で1日中釣りをした
- 磯で海水を被った
- 着用時にすごく汗をかいた
とかなら、その日のうちにさっさと洗ったほうがいいです。GORE-TEXが公式に公開しているお手入れ方法はこちら。
工程 | GORE-TEXのプロダクトシリーズ | |
---|---|---|
GUARANTEED TO KEEP YOU DRY | INFINIUM | |
洗濯 | 40℃のぬるま湯、少なめの液体洗剤 | 40℃のぬるま湯、少なめの液体洗剤 |
乾燥 | 吊干し or 低温風乾燥 | 吊干し or 低温風乾燥 |
ドライクリーニング | 家庭での洗濯を推奨 | 表示なし |
アイロン | あて布をして低温、スチームは無し | あて布をして中温、スチームは無し |
漂白剤 | 使用禁止 | 使用禁止 |
シリーズによっては若干違うこともありますが、扱い方は大体同じです。でもこれらは洗濯方法のみであって、保管方法については全然ふれていないんですよね。
2. 長期保管方法
特に湿気や水分を徹底的に排除することが大事です。
密閉性の高い容器になるべくふんわりと収納して、除湿剤も一緒に入れる。(下駄箱や押入れに入れるような除湿剤)
万が一、除湿剤が液漏れしても大丈夫なように、除湿剤は二重にしたビニール袋の中に入れてレインウェアと絶縁する。(上部は開放させる)
ラバー素材などが使われている釣り用のグローブがあれば一緒に入れる。
密閉してクローゼットなどの冷暗所で保管する。
本来はシワや折り目もメンブレンに良くないので広げて寝かせるのがベストです。でもさすがに無理。
ハンガーで吊るすのも有効ですけど、ハンガーに袋を被せて中にパックタイプの小型の乾燥剤をいくつか入れる・・・というのはちょっと煩わしいと感じます。
しかも肩の部分にだけ負荷がかかりますから、ベストとは言い切れません。高級な革のジャケットなども、長期間保管するならハンガーではなく折り畳んだほうがいいと言う人もいますからね。
釣り用バッカンを使うと便利
密閉具合にもよりますけど、小さな容器に大きい除湿剤を入れれば半永久的に乾燥状態を維持できます。私の場合、具体的にはアブガルシアのバッカン(40 L)に400~500 mlの除湿剤1個を入れてます。
釣り用のバッカンを容器に使うメリットは次の通り。
- 密閉性が高い
- 除湿剤だけ取り出してそのまま車に積んだり釣り場に持っていける
- 自宅で手洗い洗濯や撥水加工をする際の容器にも使える
撥水加工剤はベタベタするものもあったりするので、普通の洗濯用タライとは別のものを用意したほうが無難です。でも洗濯のためだけにタライを用意・保管するのも邪魔だし非効率です。保管容器を兼ねたバッカンのほうが絶対にラクです。
で、先日それを約1年ぶりに開封してみたんですけど、除湿剤の底には数滴分の水しか溜まっていませんでした。「いつの間にか満水になってる~~」っていうパターンだけは避けたいので私は大きいのを使ってますけど、大きいほうが除湿の速度も早いでしょうから頻繁にレインウェアを使う人にも損はないと思います。
この方法はレインウェアだけではなくてルアー(特にワーム)の保管にも有効です。ワームもあんまりいい加減な管理してると全部くっついてネチャネチャになってることがあるじゃないですか?この「バッカン+除湿剤」という組み合わせは、そういうのも防ぐことができるのでなかなか重宝しますよ。除湿剤だけ抜いてそのまま釣り場に持っていったりもできますからね。
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