遊動式タイラバ(鯛カブラ)の自作方法

2015/05/31How to,ロックフィッシュ,タイラバ,自作

タイラバ(鯛カブラ)の自作方法、作り方をパーツ別にまとめてみました。
釣具屋さんで既製品を買うと高いですよね・・・自作すること自体楽しいし、自作のタイラバで釣れたらもっと嬉しいに違いないです!(釣れたらの話な)

遊動式タイラバの2つの利点

一般的にタイラバと言えばシンカーが固定されているものを指しますが、ここでは遊動式タイラバの作り方をご紹介します。

遊動式タイラバとは、シンカーがアシストラインやスカートと固定されていないタイラバを意味します。

1つ目の利点:緩衝効果

鯛がヒットするとゴンゴンゴン!という大きな手応えを感じますが、これは鯛が頭を激しく振っているためで、シンカーが固定されていると鯛に掛かっているフックが外れやすくなります。 オモリがフリーだと、この衝撃を軽減してくれます。

2つ目の利点:魚にとってネクタイや針が吸い込みやすい

スカートやフックがシンカーの重みを受けないので、魚にとって吸い込みやすい構造だということ。 吸い込みやすさがどれだけ重要か、タイの捕食動画を見れば納得するはず。

https://www.youtube.com/watch?v=7E4lDOvdhFg

ブラックバスや青物みたいにガバーっといかずに、口に入れては吐いて、3回ほど確認しながら噛んでいるのが分かります。口に入れるときに違和感があると、次のタイミングで食べなくなる可能性が高くなるので、吸い込みやすさはとても重要です。

必要な道具、材料一式

必要な道具一覧
how-to-make-tairaba (7)

(ライターとか撮り忘れた)

材料
  • シリコンスカート
  • シリコンシート
  • プラスチックパイプ
  • アシストライン
  • バラ針
  • 接着剤
  • ティンセル
  • セキ糸 or ゴム管
工具
  • カッターマット(カッターボード)
  • カッターナイフ
  • ペンチ
  • ハサミ
  • ライター
  • 千枚通し
タイラバ自作に必要な材料と数量一覧表
材料数量備考
シリコンスカート11 cmラバースカートで代用
シリコンシート長さ10 cmゴム風船で代用
プラスチックパイプ7~8 mm内径1.2 mm以上、外径3 mm~3.5 mm推奨
アシストラインシーハンター10号(70 lbs.)を32 cm程度8号(55 lbs.)でも可能(上記プラパイプの内径と相談)
バラ針金ヒラマサ 15号 2本 
接着剤適宜ラインやスカート固定に使用
セキ糸orゴム管適宜スカートとネクタイの固定用
ティンセル10 cm無くてもいい

フックとアシストラインを結ぶ

  1. アシストラインを32 cmにカットする
  2. 片端だけバラ針とアシストラインを本結びで結ぶ
  3. 結び目を針先にずらす
  4. この状態でもう片方も本結びにする
    how-to-make-tairaba (8)
  5. こうすると結ぶ時に針が邪魔にならないし、完成した形も針先が向かい合って自然と地獄針になるので超オススメ!
    how-to-make-tairaba (9)
  6. 端糸をカットする
  7. 接着剤は針先側の方にだけ塗布する(チモト側の稼動部には付けないこと→加水分解によって脱水され、動きには弱くなるため)
  8. エイトノットで束ねる
    how-to-make-tairaba (10)

アシストラインの長さはどんなタイラバを作りたいかによって変わりますが、私の場合、両端にフックを結んだ状態でチモトからチモトまでの長さが22 cm
本結びをする前のアシストラインの長さは32 cmです。

使用したのはシーハンター10号(70 lbs.)ですが、両端に本結びを施すだけで5 cm×2 = 10 cmも使っていることに驚きました。
ちなみに本結びは5回巻きで、カットした端糸はそれぞれ5 mmくらい。

試しにシーハンター25号(130 lbs.)でも1つ作ってみましたが、かなり太い。パイプにはギリギリ通りましたが、遊動するほどオモリは動きませんでした。

本結びの結び方は下の動画を参考にして下さい。
動画内では「内掛け結び」と紹介されていますが誤りで、「本結び」です。私は漁師結びも試してみましたが、本結びの方がオススメです。

タイラバ自作フックの結び方(ジガーライトマダイ使用)

スカート部分を作る

スカートの部分は大きくは3つの材料から出来ています。

  • プラスチックパイプ
  • シリコンスカート
  • シリコンシート製のネクタイ

プラスチックパイプを軸にしてネクタイとスカートを取り付け、これを1つのユニットとします。


  1. シリコンシートをネクタイ状にカットする(長さ10 cm程)
    自作鯛ラバのネクタイ製作

  2. シリコンスカートを10~15本くらい用意(長さ10 cm程)
  3. プラスチックパイプの先端を焦がさないようにライターで炙ってコブを作る
  4. この目的は2つ。1.丸みをつけてラインのダメージ軽減 2.スカートを留めるゴム管などのすっぽ抜け防止
  5. 穴が狭くなってしまったら、冷え固まる前に千枚通しなどで穴を拡張する
  6. パイプを7~8 mm程度の長さでカットする
  7. 反対側もライターで炙ってコブを作る(熱いからペンチを使ってね)
  8. ネクタイとスカートを束ねてパイプに固定する
  9. セキ糸での固定ならエンドノットの結び目などに接着剤を塗布、ゴム管での固定なら接着剤なしでもOK
ゴム風船で代用したネクタイ
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試しにゴム風船で作ってみましたが、曲面があったり思うように切れなかったりして成形に時間がかかって結構難しかったので、平らなシリコンシートから作ることをオススメします。
吹き込み口の輪っかを利用してパイプに留めようと考えていましたが、最終的にバラしてセキ糸で固定しました。

ラバースカートで代用
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本当は、スカートはスピナベに使うようなシリコン製を予定してたのに、amazonで注文→届いたらラバーだった\(^o^)/で、仕方なく使ったけど意外といい感じだったので結果オーライ!

プラスチック製の中空パイプの入手方法

パイプの内径の条件は、アシストラインが2本通っても抵抗なく稼動する太さ以上 且つ エイトノットの結び目の太さ以下。(内径がエイトノットより太い場合は浮き止めを入れる)
アシストラインの太さにもよりますが、内径1.2~1.5 mmくらいは必要。
外径の条件は特にはありませんが、あまり太いとスカートが巻きにくくなると思うので、3~4 mmくらいがいいと思います。

どんなプラパイプを使えばいいのか悩むところですが、それなりの強度さえあれば何でもいいです。
いくつかの調達方法を紹介します。

  • 市販のパイプを使用する:NAKAZIMA 手作りパイプキット 3 mmφ(No.289)
  • 使い古したボールペンの芯を使う
  • 硬質カラミ止めのチューブからライターで炙って自作する

下の動画ではNAKAZIMA 手作りパイプキットを使用しています。

鯛ラバの自作(遊動式)

使い古したボールペンの芯を使うというのはもっとも経済的です。このタイラバ自作方法で座布団ヒラメ(座布団のように大きいヒラメの意味)を釣っています。
簡単!?タイラバ『ボールペンの芯でタイラバ!?』

硬質カラミ止めのチューブからパイプを自作している人もいます。
遊動式鯛ラバに便利なS○V○Nス○イ○みたいな物を自作していました。

オモリを着色する

本来であれば舵付きオモリなんかを使う方がいいのかもしれませんが、今回はタイコオモリで済ませます。穴が小さい時は千枚通しなどで入り口だけでも拡張しておくだけで通しやすくなります。

色に関しても、理想としては次の手順で着色したいところですが、今回は油性の赤マジック+保護塗装無しで済ませてます(超適当)

  1. アルコールなどで脱脂する(表面の油分を取り除くと塗料の付着力がアップする)
  2. ヤスリで目荒らし(表面積が増えるので塗料の付着力がアップする)
  3. サーフェイスの塗布(白色の下地を作る)
  4. パール系の赤色やオレンジを塗布
  5. 最後にクリア系塗料で保護する

赤いオモリやオレンジのネクタイが深い海の底では実際にはどんな色に見えているのか、貴重な映像がこちら。

タイラバ水中動画01 ~タイラバは水中でどう見えているのか?編~

タイラバ水中動画02 ~タイラバは海底側からどう見えているのか?編~

タイラバ水中動画03 ~海に春の訪れ『春濁り』編~

本来、タイラバは船で使うもので、オモリの重さは20号前後(20×3.75 g = 75 g)くらいが一般的ですが、今回はヒラメや根魚を狙うために陸っぱりでのキャスティングタイラバ用として5号(5*3.75 = 18.75 g)のオモリを使用しました。

【アングリングソルト月刊化スタート!】ヒロセマン~陸っぱりタイラバで根魚攻略

https://angler.prummy.com/2015/05/1709/

各パーツは固定せず、釣り場で組み合わせの変更を可能にする

これまで説明してきた各パーツは、好みのカスタマイズが出来たりメンテナンスが容易となるように、固定せずに使用します。

  • フック+アシストライン
  • スカート+ネクタイ
  • オモリ

いつもはこんな風にバラバラに保管しておいて・・・
how-to-make-tairaba (6)

使う時だけ合体させる。こうすれば、針が錆びたら針だけ交換すればいいし、バリエーションも作りやすい。
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アシストラインとリーダーは直結が理想的ですが、私はスナップを使います。(ただの面倒臭がり)
アシストラインの部分だけだけど、一応ちゃんと遊動式!

オモリを赤マジックで塗った直後は凄くメタリックな質感でしたが、釣行で1回使ったら写真のようにマットになっちゃいました。流石にクオリティーに問題ありか・・・色落ちや光沢を気にするならクリア塗装は必須ですね。

実はネクタイだけが重要でスカートは要らない

ここだけの話、知人が言うには「実はタイラバはネクタイが重要であってネクタイだけあれば釣れる。でもそれだけだと製品として余りにみすぼらしくて店頭で買って貰えないから、買い物客を釣るために申し訳程度にスカートが付いてる。」と。

売り手の本心は置いておくとして本当にネクタイだけで釣れるのかちょっと疑問でしたが、笹の葉のようにカットした極薄のピンク色のビニール片をジグヘッドに装着するだけのビニールチニングの動画を見てなんか納得しちゃいました。

スカートの効果が全く無いとも言い切れないけど、それよりも、ネクタイの形状・素材なんかに気を配った方がいいということですね。

鯛カブラと鯛ラバの違い

最後に補足。
「鯛カブラと鯛ラバの違い」、そんなモン無いです。
地域によって呼び方が違ったりするみたいなんですが、鯛カブラも鯛ラバも同じ仕掛けを意味しています。このサイトではタイラバ(鯛ラバ)に統一します。