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釣り糸の種類別の強度・太さ

釣り糸(Fishing Line)に関して、ナイロンフロロPEなど、釣り糸の素材に関わらず何気なくラインの太さ(号数)や強度(ポンド数)だけを見ている人は多いと思います。
しかし、その考えは改めた方がいいかもしれません。このページでは、釣り糸の種類別の太さ・強度・号数・ポンドの表示一覧表のみならず、釣糸の成り立ちや歴史など生半可な釣り人では知らない釣り糸に関するあれこれを詳しく解説します。
私も最近まで知らなかった事も多く、勉強が足りないなぁと反省しています。(生半可)

とは言え、このページは本当にかなりプロフェッショナル向きで、もしかしたらプロの方でさえ知らないかもしれないことが書いてあります。
もっと初歩的な話で、釣り糸の種類やその違いと特徴については下の別記事を参照してみて下さい。初心者(ビギナーズアングラー)にも分かるように書いてみました。

2010年に制定された統一規格

昔から釣りをやっている人であれば、例えば3号なら、ナイロン3号よりフロロ3号の方が強いと勘違いしている人は意外と多いようです。

しかし実は、直線強度(引張強度)に限って言えば、全く同じ直径と断面積ならフロロよりナイロンの方が強いのです。えっ!?そうなの!?とビックリする人もいるのでは?

ということで、規格制定までの経緯も交えてラインの強度を紹介します。


以前、日本における釣り糸の標準直径はナイロンを基準に定められていたもののフロロの規格はなかったため、フロロの表記はメーカーの自主的な判断に委ねられてきました。
そのため、次のような経験があるはずです。

  • フロロにおいて、ナイロンと同じ号数なのにナイロンより明らかに太いと感じる
  • リールスプールの糸巻量の表示において、ナイロン3 lbs.100 mなのに、フロロ3 lbs. 95 mと書いてある

これは、次の理由からではないかと推測します。

引張強度だけ見ればナイロンよりフロロの方が弱いので、メーカーが自主的判断とやらでナイロンと同じ強度となるようにフロロの直径を若干太くしながらも、号数は同じ表記で販売してきたのだと。

真意はメーカーに聞いてみないと分かりませんけどね。
勿論全てのメーカーではなく、太さを統一したメーカーもあります。

そうして、実のところフロロの方が太いけども、同じ号数、同じ強度表示、変質しにくい、感度が良い、対磨耗性が高いなどの長所があることから、結果としてそれを知らない購入者は同じ号数ならフロロの方が強いと錯覚するわけです。

そして
社団法人日本釣用品工業会の釣糸部会において、に標準直径が定められ、ナイロンフロロの統一規格が制定されました
また、にはPE糸の太さ標準規格も制定されています。(後述

しかし、フロロの強度をナイロンの強度に合わせる慣習は現在でも見られます。
メーカー側としては善意のつもりなんでしょうけど、この問題の根本的な解決策ではありません。

なぜアメリカ(海外製)のラインは太いのか

ポンド表記だけを見て、海外のラインが安い!買ってみよう!と思い、実際に購入して巻いてみたらめっちゃ太かった・・・という経験はありませんか?

日本とアメリカではそれぞれ採用している表示方式が異なるので、日本製と同じ感覚でアメリカ製のラインを買うとそのような不満を抱えることになります。

この問題について、海外製品は粗悪で、日本の技術力が凄いからだと勘違いする人がいます。(私です)
確かに、釣り糸に限らず素材に関する日本の技術力は凄いですが、これは根本的な要因ではありません。

では一体、何がどう違うのか。

ポンドテストラインとポンドクラスラインの違い、アメリカと日本

釣り糸のポンド表記には、ポンドテストラインポンドクラスラインという2つの方式がありますが、これを知らないととんでもないことになります。

ポンドテストライン

表示方法は様々ですが、概ね次のように表示されています。

  • PTL
  • TEST(lb)
  • lbT

表示された数値以下では絶対破断しないことを保証する。
アメリカで採用されている。

ポンドクラスライン
  • PCL
  • CLASS(lb)
  • lbC

国際ゲームフィッシュ協会(International Game Fish Association, IGFA)が定めたラインクラス(IGFA クラス)のことで、表示された強度以上で切れることを保証する。多くの日本のラインメーカーが採用している。

表示された数値以上では絶対破断することを保証する。

つまり同じ16 lbs.表記でも、4号16 lbCでは16 lbs.掛かれば100%ラインブレイクするよ。12 lbs.で切れるかもしれないけど。を意味するのに対して、16 lbTでは16 lbs.を超えないと切れないよ。まぁ、20 lbs.なのか25 lbs.なのか、何ポンドで切れるかは分からないけどね。ということを意味しています。

例えば、次の2点ならどっちが強いか分かりますね?

  • サンライン(SUNLINE) BASS PROFESSIONAL マシンガンキャストは3号 12 lbs.lbC
  • サンヨーナイロン APPLOUD GT-R ULTRAは3号 12 lbs.lbT

また、アメリカ製品であるバークレイ社のの場合はこんな具合です。

  • トライリーンXT 12 lbT≒23 lbC
  • トライリーン ビッグゲーム 15 lbT≒23 lbC

なぜここまで差が出てしまうかと言うと・・・

  • 日本での10 lbs.というのは、10 lbs.で必ず切れる
  • これは平均すると、7~8 lbs.くらいで切れる
  • それ以下で切れる可能性もある(6 lbs.とか)
  • 絶対切れないと保証するなら5 lbs.と表記することになる

こうやって日本とアメリカでは1.5倍から2倍くらいの差が出るわけです。
なので、アメリカなどlbT表示の海外製のラインを買う場合は、日本で使っているラインの半分強くらいの強度表示を買えば丁度いいくらいになるはずです。

更に厳密に言うと、日本の表示にも以下の2種類の方式があり、気をつけたいポイントです。

最大強力
そのライン強度の過去最高記録(ベストスコア)に相当する。最大強度やMAX強力、MAX強度という表示の時もある。
平均強力

ラインの均質な製造には高度な技術を要するためどうしてもムラが生じる。その平均値。AVE強力、AVE強度。

平均強力で表示している商品も見かけますが、大抵の場合、日本では最大強力が表示されていると思います。
なぜなら、同じ直径であってもMAX強度で表示した方がより強そうに見えて売れるからです。
例えば次の2種類のラインがあったとしても、消費者全員が最大強度か平均強度かまでは気に留めないので、強そうに見える4 lbs.表示の方が売れるので、メーカーはそのように表示するでしょう。

  • 1号/3 lbs.(平均強度)/標準直径:0.165 mm(最大強度は4 lbs.
  • 1号/4 lbs.(最大強度)/標準直径:0.165 mm(でも実は平均強度が2 lbs.

また、そもそもどっちなのか表示していない商品すら有ったりして、表示義務は無いようです。
なのでMAX表示のみの場合、本当はどれくらい実力がある糸なのかは使ってみないと分からないところがあります。
日本の表示方式(ポンドクラス)なら、実際には表示強度の7割~8割くらいで切れると思っておいた方がいいです。

高額・高品質なラインの場合は両方表示している場合が多く、lbTlbCの差が小さいです。それだけ製造の精度が高いということ。
同じ直径で同じ強度表示なのに、ブランドによってあれは強いとかあれは信頼できると感じるのはそういう一面があるのかもしれません。

では次に、釣糸の強度や太さの一覧を素材別にご紹介します。

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