魚の締め方(活け締め、神経締め)、今までで一番タメになった解説

2018/01/10

保冷方法

  • 水気と空気を遮断する
  • 7℃~10℃が適温
  • 身には氷を直接当てない
  • 死後硬直が始まった後はガンガン冷やしてもいい

保冷する際は新聞紙などで水気を切ったり、ラップフィルムやビニールなどを使って魚体から空気を遮断することで魚の綺麗な体色が保てます。

保冷温度は低すぎないこと。神経締めを行った魚は時間経過とともにうまみ成分が出てきますが、冷やしすぎると熟成が進みません
7℃から10℃くらいが適温です。

そして、腹、尻尾、頭には氷を当ててもいいが身には直接当てないこと

海水に氷を足してその氷水に魚を浸けて持って帰る人もいますが、氷自体が塩水であれ真水であれ、これは間違いです。また、純海水の氷水だと冷えすぎるからといって6:4などの比率で真水を足したりすることは浸透圧の観点から見れば更に間違いです。魚の旨みが水に溶け出してしまいます。
持ち帰る際に冷え過ぎることを抑えたいのであれば氷の量を減らすべきであり、真水を足すのは誤りです。

熟成時間と旨味のピーク

ということで、ここまでは持って帰るまでの話。持って帰った後はどうすればいい?

釣り人のなかには腐敗防止や家庭の生ごみを減らす目的でエラと内臓を捨ててから帰る人もいますが、私の場合は、家に着いてからエラ、内蔵、ウロコ、血合いなど、腐敗の要因となるものを徹底的に取り除いて洗浄し、さく取りしてからラップフィルムに包んで冷蔵庫で熟成させます。
なぜなら、釣り場では綺麗に血合いまで洗い流すことは難しいですし、切断面から水分(ドリップ)が出るからです。

旨味のピークは、適切な熟成が行われれば早ければ〆てから2~3日ほどで達して、長ければ〆てから1週間後まで持続します。
例えば、お寿司屋さん等のなかにはこんな熟成をさせているお店があります。

  • イカを1週間熟成させてお造り
  • ノドグロを2枚おろしにして強めに塩をしてから5日間熟成後に塩焼き
  • マグロを2ヶ月間熟成させて握り寿司

下記リンクの場合、死後硬直後の長期熟成では1~5℃で保存してます。
ノドグロの場合だと、塩をして空気に晒しながら1日何回もひっくり返し、翌日は水で洗って空気を遮断し、温度や湿度を調整したり・・・素人にはちょっとハードルが高そうですが参考までにどうぞ。

造りでいける〆て7日めのイカ|あまから手帖
http://www.amakaratecho.jp/propro/0907/魚拓

熟成度合いの見極め方

熟成のピークはまだか、それとも過ぎたのか、熟成度合いを見極めるには魚の身の色を見て判断します。 白い魚だとわかりやすいと思います。

  • 熟成が進んでいない場合は身が透き通っている、透明感がある
  • 熟成が進むと、透明感は維持したままほんのり黄色く、飴色掛かってくる
  • 熟成がピークに達するにつれて飴色が濃くなる
  • 熟成が進み過ぎると、身の透明感がなくなり、濁りくすんでくる

その日のうちに食べる場合の神経締めは逆効果なのか?

2~3日置いておくなら神経締めは必須。じゃあどんどん時間を縮めて、釣ったその日のうちに魚を食べる場合なら神経締めの必要性はあるのか、という疑問はあるかと思います。
結論からいうと、これはケースバイケースで一長一短ですが、遅くても3時間以内に調理できないのであれば神経締めをしておくに越したことはありません。

その日のうちといっても色々あります。神経締めをせずに夕食で食べるとして、早朝に血抜きするのと夕方に血抜きするのとではだいぶ時間に開きがあります。

また、美味しいの定義が人にもよっても違います。食感と旨みのバランス、どちらを優先するかによっても神経締めの意味合いは異なるので一概には言えません。

  • 血抜き直後は身がプリプリとしているので、食感としては美味しいが旨みは少ない
  • 逆に時間経過すると熟成するので、身は若干ブヨっとするが旨みは多くなる

魚種やサイズ、血抜きや保冷の状況にもよりますが、前述の死後硬直と緩解の説明の通り基本的には2~3時間以内なら神経締めは要りません。
一番良くないのは、死後硬直が解ける直前・直後に食べること
なぜなら、乳酸が限界まで溜まってpHは下がっているのに、旨みはまだそれほど出ておらず、プリプリ感も失われている状態だからです。
中途半端が一番よくないということですね。

ヒラメの脳天の場所と神経締め

ヒラメの神経締めは、逆に死後硬直が促進される

先にオチを言ってしまうと、ヒラメは神経締めをしない方がいいです。疑いたくなるような話なのですが、近大マグロで有名な近畿大学の、近畿大学農学部 水産学科 水産利用学研究室HPにその一文がありました。(私自身はそれぞれの研究室の関係がよく分かっていないのですが、近大マグロの生産は近畿大学水産研究所

しかし魚とは不思議なもので、コイは脊髄破壊をしなくても筋肉は痙攣しません。ヒラメにいたっては脊髄を壊すことで逆に死後硬直が促進されてしまうことがあります。

近畿大学農学部 水産学科 水産利用学研究室

促進されてしまうことがあるということは、ちゃんと効果がある時もあるっていうことなんでしょうか。それ以上の内容は記されていませんでした。

ヒラメの脳天の場所

ヒラメの神経締めの有効性はともかくとして、脳破壊による活け〆は絶対に必要です。
ヒラメの歪んだ顔に惑わされずに、普通の魚のシルエットとして捉えてみてください。そうすれば、ワイヤーやスパイクを差し込む位置が他の一般的な魚と変わらないことが分かります。

表側ではなく裏側からスパイクを入れている津本さんの動画が一番分かりやすいです。ヒラメの裏面を見て、エラの中ほどにあるT字の線が見えるちょうどその部分に脳が位置しています。

ヒラメの脳天の場所

究極の血抜き ヒラメ編 津本式バージョン vol.40

hirame-nerve-point youtube
ヒラメの神経締めでワイヤーを通す位置と角度
hirame-xray
FlounderHUMANE KILLING OF FISH ヒラメの外見とレントゲン写真を合成した画像(白い丸は脳の位置)
船長が丁寧に解説、ヒラメの神経締め

【番外編】マダイの締め方

下の動画は広川嘉孝さんが紹介していたマダイの締め方・血抜き方法です。
一応動画は紹介しますが、私が見た動画と比べるとどうしても論理的に説得力がないと感じているので、個人的には番外編としてみて欲しいと思っています。(disるつもりは全く無い)

  • 尻尾の付け根の血管とエラを切る
  • 水に浸けず1分から数分間放血する
  • 血をゆすぐ
  • 尻尾から神経締めを行う
単純明快、釣果もバッチリ!? 中~遠距離キャスティングゲームのススメ~広川嘉孝

動画では、人間は空気に触れて止血するが、魚は水に触れると止血するとの説明がありますが、その具体的根拠は示されていません。

また、経験則からいっても誤りのように思います。血抜き用バケツにたまった血が凝固しているのを見たことがないし、ナイフを入れてすぐに水に浸けないと固まって血抜きができなかったり、タックルや衣服などに付いた血が空気中で凝固しているのを見ているからです。